Go to contents

[社説]クリーンで能力のある人を選ばなければ

[社説]クリーンで能力のある人を選ばなければ

Posted August. 30, 2010 03:00,   

한국어

金台鎬(キム・テホ)首相候補と申載旻(シン・ジェミン)文化体育観光部候補、李載勲(イ・ジェフン)知識経済部長官候補の辞退は、公職者に求められる道徳基準がますます厳格になっていることを示す。韓国政治の慢性病である嘘が、公職候補の検証で最悪の「自害」手段となった。金氏が道知事時代に官舎に職員を出勤させて家事の世話をやらせ、夫人が公用車を自家用車のように使っていたにもかかわらず、公私の区別がなかったことを認めずに嘘を繰り返し、世論を刺激した。

後任の首相や長官候補の人選では、国民の高い目線を満足させるクリーンで能力のある人を選ばなければならない。道徳性も重要だが、能力が後回しになっては困る。国民のために重要な役割が任される首相や長官に、今までの人生で実績を残した経験がなく、道徳的欠点もない人だけを選んではならないということだ。

国民が100%満足できる人物を選び出すことは容易ではない。しかし、国民が満足するだけの人材を選ぶことは、国政運営上、大統領の重要な責務だ。李明博(イ・ミョンバク)大統領自ら、今回の人事で責任を全うしたのか深く省察しなければならない。千成𨛗(チョン・ソングァン)検察総長候補の辞退から13ヵ月しか経っていない。大統領の人事権がきちんと発揮されていたなら、繰り返し同じようなことが起きただろうか。

大統領府の人事検証システムが大統領の「壁」を越えられなかったのか、それとも大統領が秘書陣に自律権を与えて人事検証をしたにもかかわらず、このようなことが起こったのか、明確にする必要がある。聴聞会で指摘されそうな問題点を、大統領府の人事検証ラインが大統領の意向を察するあまり見逃してしまったのか、あるいは能力不足で検証できなかったのか、責任の所在を徹底的に明らかにし、問責するべき人は問責して人事システムを大幅に変えなければならない。

特に、盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権の人事資料を李明博政府も見れるようにすべきだ。盧武鉉政府の人事資料は、反盧武鉉勢力を集中的に分析したものとされる。引継委員会当時、531万票差の勝利に酔って、本来引継ぐべきものを十分に引き継がなかった現政権の責任は大きい。このような資料が、外部から政権を粗探しするための目的にだけ利用されてはならない。

教育的な目的での偽装転入は良くて、投機目的は良くないといった自己中心的な基準はもはや通用しない。教育的理由での偽装転入が財産増殖用の偽装転入よりも道徳的に非難の可能性が低いと見る理由はない。そのような話が成立するには、住民登録法から改正しなければならないだろう。李明博大統領が、過去15回も住民登録を移したことや申氏が5回も偽装転入したことが、いずれも「教育目的」だけでないことは世間が察している。