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[社説]金正日集団、「同じ民族」なのか

[社説]金正日集団、「同じ民族」なのか

Posted May. 21, 2010 07:23,   

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海軍哨戒艦「天安(チョンアン)」沈没は、北朝鮮の金正日(キム・ジョンイル)集団の「1番」魚雷による挑発だった。韓国の軍と民間、米国、英国、カナダ、オーストラリア、スウェーデンを含む多国籍合同調査団は20日、北朝鮮が独自開発したCHD−02D中魚雷が、天安艦を沈没させたと公式発表した。天安艦沈没海域で、発見された北朝鮮製魚雷推進部の後方部の内側には、「1番」というハングル表記がはっきりと記されていた。魚雷の付属品の仕様は、北朝鮮が兵器販売用に作成したパンフレットにあるCHT−02Dの設計図と一致した。合同調査団が、科学的で客観的な調査を行い、天安艦の攻撃が北朝鮮の犯行であることを立証する決定的な物証を発見したのは幸いなことだ。米国、英国、オーストラリア、スウェーデンの専門家らは、合同調査団の調査結果に全員一致で同意した。

大統領府は20日、「李明博(イ・ミョンバク)大統領が、国政最高責任者、軍統帥権者として決然とした覚悟で臨んでいる。応分の責任を問うための断固たる措置を決心するだろう」と明らかにした。国際社会の対応も、強力で迅速だ。米ホワイトハウスは、「天安艦の乗組員46人の命を奪った侵略を強く糾弾する」と明らかにした。日本の鳩山由紀夫首相は、緊急閣議を開き、北朝鮮の行動は容認できないと述べた。英国も、「国際社会と英国は、今回の蛮行に対する適切な多国的措置を考慮し、韓国と緊密に協力する」と明らかにした。

窮地に追い込まれた北朝鮮は、合同調査団の発表開始30分後、最高権力機関である国防委員会の声明を通じ、「捏造劇」と言いがかりをつけ、「国防委員会の検査団を派遣する」と豪語した。強盗殺人犯が現場検証をするという妄言だ。厚顔無恥な金正日集団は、動かせない物証の提示に慌てたのか、「制裁に対し、全面戦争を含む強硬な措置で応える」という脅迫を並べ立てた。韓国は、決然とした姿勢で対応し、北朝鮮が全面挑発をしかけてくるなら、金正日集団の最後になるべく万全の準備をしなければならない。

北朝鮮は、韓国戦争の南侵後60年間、韓国と国際社会に対し、表面では「平和対話交流」という偽装戦術を駆使し、虎視耽々と挑発を企んだ。その例は、大統領府襲撃、民間航空機空中爆破、アウンサンテロをはじめ、例をすべて挙げることが難しいほど、反復的かつ常習的に挑発を行ってきた。韓半島の平和体制と平和協定をしながらも、裏では核とミサイルを開発した。6者協議に出て、核の無能力化や廃棄、非核化を叫んで時間を稼ぎ、2度にわたり、ある日突然、核実験を行った。

国際社会は、北東アジアの安定と世界平和に向け、このような集団をどのように扱うべきか知恵を集め、力を結集しなければならない。北朝鮮の核とミサイル開発、韓国への挑発は、米国、日本、中国、ロシアの利害関係が交差する北東アジア地域の安定を害する危険な雷管だ。北朝鮮の核と核物質、ミサイルとミサイル部品がテロ集団に渡った場合、世界平和は決して確信することはできない。世界の安全の脅威勢力である北朝鮮を正常国家に変えるには、何よりも国際社会が具体的かつ実効性のある対応案を講じ、一糸乱れず実行に移さなければならない。世界平和の維持を目的に構成された国連安全保障理事会が、前面に出ることはもちろんだ。

米国が、天安艦事態を機に、韓米同盟の堅固さを再確認し、韓国に全面的な信頼を送ったことは幸いだ。25日頃にクリントン米国務長官が訪韓し、より明確な米国の意思を伝えるだろう。これを機に、米国は12年に予定された戦時作戦権返還の延期と北朝鮮のテロ支援国再指定問題も積極的に考慮しなければならない。国際社会を動かし、国連安保理の対北朝鮮追加制裁を引き出し、過去のバンコ・デルタ・アジア(BDA)の北朝鮮の金融口座凍結のように北朝鮮が敏感に反応する金融制裁も再開する必要がある。

中国が北朝鮮の挑発を庇護し、国際的な制裁を無力化するなら、国際社会で中国の信頼は失墜するだろう。中国が、北東アジアの安定と世界の平和を望むなら、北朝鮮に向け「ムチ」を持たなければならない。

韓国は、北朝鮮の追加挑発に備える一方、長期的に天安艦沈没で明らかになった防衛態勢の弱点を抜本的に補完する必要がある。韓国軍は虚を突かれた。北朝鮮の潜水艦(艇)の基地の出入り動向をチェックしながらも、北朝鮮が韓国の海域に侵入し、天安艦を魚雷で攻撃するとは想像もしていなかった。この10年間、3度の西海交戦の挑発を退けたことに慣れ、油断した面もある。

特に、天安艦事態は、前方・後方と陸海空を分けない北朝鮮のテロ挑発の可能性に、徹底的に備えなければならないという教訓を残した。北朝鮮の小型潜水艦は、いつでも韓国の軍艦や商船を攻撃できる非対称兵器だ。韓国ではわずか10隻余りの潜水艦を、北朝鮮は約70隻も保有している。後方を撹乱する特殊部隊員18万人がおり、そのうち5万人は、最近休戦ライン付近に前進配置された。様々な化学兵器や細菌兵器も、一瞬にして韓国を恐慌状態に陥れることができる。どれ一つをとっても、容易な戦力ではない。

海軍の戦力発展計画など、全軍の兵器現代化の予算配分の問題も再検討の必要がある。北朝鮮の海軍は、1000トン級未満の小型艦艇を中心に構成されている。「大洋海軍」という旗印の下、イージス艦や独島(トクド)艦のような大型上陸艦を保有することだけがいいわけではない。「沿岸海軍」をさらに強化する必要があるという指摘に耳を傾けなければならない。現存する脅威に備えることが急がれる。

天安艦事件で、北朝鮮の変化した戦術や奇襲挑発についての情報の不在、作戦指揮体系や緊急機動作戦の未熟、陸海空の合同性の問題などが露になった。合同参謀議長を中心とした単一指揮体制で、合同性を強化することが緊急な懸案だ。

野党民主党の丁世均(チョン・セギュン)代表は20日、「北朝鮮の攻撃によるものなら、自国の領海でやられた安保無能を見過ごすのか、軍統帥権者である大統領が責任を負わなければならない」とし、大統領の謝罪と内閣総辞職を求めた。民主党こそ、これまで「李明博(イ・ミョンバク)政権は、根拠もなく北朝鮮の犯行に追い込んでいる」と北朝鮮の肩をもったことに対し、まず国民に謝罪すべきだ。

天安艦事態に対し、軍統帥権者の大統領と大統領府、軍首脳部が痛烈に反省しなければならないことは正しい。安保システム上の弱点があったことに対し、国民は政府の責任を追及できる。しかし、民主党と左派勢力は、そのようなことを言う資格がない。02年6月29日に発生した第2次延坪(ヨンピョン)海戦の時、金大中(キム・デジュン)大統領(当時)の太陽政策による交戦遵守規則のため、敵の挑発の前で韓国の海軍は手足を縛られ、6人の将兵が犠牲となった。金元大統領は、海戦発生翌日、サッカーのワールドカップ大会の閉幕式に出席するため、予定通り日本に出国した。朴智元(パク・チウォン)院内代表こそ、金元大統領の側近としてよく知っているだろう。そのような民主党が、北朝鮮の天安艦沈没に対し「安保無能政権」を云々言うのは、自己矛盾だ。

進歩新党のソウル市長候補の魯會燦(ノ・フェチャン)氏は20日、「広い海から発見された北朝鮮製の魚雷の破片が、3月26日の夜に天安艦を沈没させた原因だったというのは、道で石一つ拾って、旧石器時代から使用された石だと推定することと何が違うのか」と皮肉った。約130人の国際軍民合同調査団が、出した調査結果を嘲弄する言葉だ。北朝鮮の犯行であることが明白な証拠が出てきたのに、これを過小評価し北朝鮮の肩を持つ集団を、「反安保勢力」と規定する。

朝鮮戦争の南侵以後、最悪の軍事的挑発をした北朝鮮の振る舞いに国民は怒っている。金大中、盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権は、太陽政策という美名で、北朝鮮に8兆3805億ウォンを与えた。金正日総書記は、この金で超豪華な生活を送り、核開発するだけでは足りず、天安艦を攻撃した。同じ民族が血と汗を流して払った税金で、韓国の将兵の命を奪ったのだから、まさに恩をあだで返す振る舞いだ。

韓国国民は、北朝鮮の犯行に憤るだけではいけない。これからは国際社会と協力し、北朝鮮が過酷な代価を払うよう国民皆の知恵と国力を結集させる時だ。