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15年間も特殊訓練受けた黄長鎏氏暗殺チーム、検察の取調べも「特殊作戦」

15年間も特殊訓練受けた黄長鎏氏暗殺チーム、検察の取調べも「特殊作戦」

Posted May. 08, 2010 07:35,   

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7日午後1時50分、ソウル瑞草(ソチョ)区瑞草洞のソウル中央地検庁舎の拘置所。検察庁舎の裏で一般人の往来がほとんどないここに、警報灯をつけた乗用車とワゴン車の車両4台が静かに入ってきた。前後に乗用車が1台ずつ、間にワゴン車2台がぴったりついて一列になった車両の行列は、すべて黒のスモークフィルムを貼りつけたうえ、さらに白い紙を貼りつけるなど、徹底して外部からの視線を遮断していた。

ワゴン車2台が鉄製シャッターの拘置所の建物内に入ると、がっしりした体格の黒いスーツ姿の国家情報院関係者約10人が一斉に降り、ワゴン車を囲んだ。拘置所内で待機していた検察捜査官や警備の刑務官も、手錠をかけられ縄で縛られた状態でワゴン車から降りる2人を急いで取り囲み、建物の中に護送した。拘置所内にあった大型バス1台が進入路を遮り、一般人の接近を統制した。わずか1、2分の間で、これらの車両は一編のスパイ映画のように2人を検察庁舎に降ろし、護送作戦を終えた。

検察庁舎に護送された2人は、黄長鎏(ファン・ジャンヨプ)元朝鮮労働党書記(97年亡命)の殺害指示を受け、偽装脱北して摘発された北朝鮮人民武力部偵察総局所属の工作員・金ミョンホ(36)、ドン・ミョングァン(36)容疑者。先月20日に拘束され、国家情報院で取調べを受けてきた2人は、ソウル中央地検公安1部(李鎮漢部長)に身柄が引き渡され、4時間ほど検事の前で初めての取調べを受けた。

2人は、手錠をかけられ縄でしばられたまま取調べを受け、調査室の周辺には二重三重の厳重な警戒網が張られた。彼らが取調べを受けた調査室の位置は、ソウル中央地検内でも直接取調べを行う5、6人だけが知るほど、第1級の秘密だ。国家情報院と検察が彼らの護送と取調べに万全を期すのは、2人が北朝鮮で15年以上特殊訓練を受け、いつでも包囲網を破って逃走できるという憂慮による。金容疑者とドン容疑者は、素手で2、3人を殺害できるほど、専門の暗殺教育を受けている。

検察は今後、彼らを数回さらに取調べる計画だ。また、彼らの供述が事実かどうかを確認するために、参考人聴取も並行する予定だ。国家保安法違反容疑の拘束期間は50日で、一般犯罪者(30日)よりも長く、検察の取調べができる期間は30日ほど残っている。検察は、彼らに対する取調べの過程をすべて映像に録画し、法廷に証拠資料として提出する方針だ。スパイも、検挙後すぐに大韓民国の国民になり、取調べに弁護人が立ち会うことができる。現在、国選弁護人が選任されているが、彼らは弁護人の立会いと面会を拒否したという。

金容疑者とドン容疑者は昨年11月、北朝鮮人民武力部偵察総局長の金英徹(キム・ヨンチョル)上将(韓国軍の中将に該当)から直接「裏切り者の黄長鎏の首を取れ」という指示を受け、脱北者を偽装して、中国とタイを経由して、今年初め、韓国入りした。入国の際に、金容疑者は「金ミョンサム」、ドン容疑者は黄元書記の親戚「黄ミョンヒョク」と偽った。



ceric@donga.com