現代(ヒョンデ)経済研究院が、毎年実施する「大韓民国の経済幸福指数」調査で、今年は済州島(チェジュド)が、全国16市道のうち2位となった。一昨年や昨年の調査では、15位と最下位圏だった済州が先頭圏に躍り出た。経済幸福指数とは、個人が経済的な満足や喜びを感じる状態を数値化したもの。地域での経済状況も当然、反映される。同研究院は、済州を訪れる観光客が増えたことを受け、済州経済の70%占める観光産業の好況によるものと分析した。
◆済州を訪れた韓国人観光客は、05年前まで平均約460万人だったが、昨年は589万人に増えた。観光収入も07年=1兆7200億ウォンから、08年=2兆3736億ウォンへと増加した。韓国銀行・済州本部の「3月の済州地域の企業景気調査」でも売り上げが増えた。経済事業が好転したことを受け、昨年末から海外旅行に行く韓国人が増加しており、済州島の観光産業が萎縮される可能性が取りざたされたものの、観光客は着実に増え続けている。06年の航空規制緩和による済州行きの低価格航空便が、済州島の競争力を高めた。済州島にもうひとつの空港ができれば、鬼に金棒である。
◆済州島を訪れる観光客にとっての最大のネックは天気だ。いきなり雨が降ったり、台風でもくれば、室内では楽しめない。世界的な観光地には、天気が悪い時も楽しめる遊びが多い。03年、カジノ市場を開放したマカオには、年間2700万人の観光客が訪れる。済州島を訪れる外国人観光客は、昨年はわずか63万人だった。済州島には8つの外国人向けカジノがあるが、当の外国人は規模が小さく、面白くないと顔を背ける。観光客が少ないため、投資が見合わされる悪循環が繰り返される。
◆済州島行きの低価格航空便は、規制緩和効果をはっきり示している。最近のマッコリ・ブームも、販売区域の制限規定を撤廃したためだ。観光や医療分野でも規制緩和すれば、いくらでも外国人観光客をひきつけることができる。規制がなくなれば保護幕がなくなり、既得権を手放すことを心配する人々は、済州島から学ぶ必要がある。すばらしい観光資源を持っている済州島が、国際的な観光都市へと跳躍するためには、さらなる積極的な規制緩和が求められる。それは済州島だけに限ったことではない。
朴永均(バク・ヨンギュン)論説委員 parkyk@donga.com