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[オピニオン]金ジョンホン氏の「出社パフォーマンス」

[オピニオン]金ジョンホン氏の「出社パフォーマンス」

Posted March. 20, 2010 03:01,   

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「韓半島の大運河は、歴史や文化を破壊するブルドーザー運河だ」。いわば、進歩的な文化人らの団体である「文化連帯」が李明博(イ・ミョンバク)政府発足直前、大統領職引継ぎ委員会で、抗議のパフォーマンスを行ったことがある。「盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領の行政中心複合都市は、文化財を破壊するものだと言う議論があった時は黙っていたのに…」という冷笑が文化部内に出回った。1999‾2007年、同団体の共同代表を引き受けた金ジョンホン氏は、盧政府の末期に文化芸術委員会委員長となった。文化連帯やその上級団体とも言える韓国民族芸術人総連合(民芸総)が、金炳翼(キム・ビョンイク)初代院長を追い出し、金氏を座らせるのに一役買ったことは、文化芸術界ではもはや秘密ではない。政権が変わっても、文化権力をしっかり固めようとする「釘うち」だった。

◆文化芸術界に対し、1年間で1100億ウォンを支援する「大物」は、ほかならぬ文化芸術委だ。政府予算もあるが、ロット(宝くじ)収益金やさまざまな公演・展示場の入場料などから出る文化芸術振興基金も含まれる。一般人が知らずうちに払っていた金が集まって、「貧しい」文化芸術家を後援しているのである。盧政府時代の政府支援は、例年とは異なって民芸総に集中し、韓国芸術文化団体総連合会(芸総)の2倍にも上った。会員数は民芸総=10万人、芸総=38万人という事実をさておいて、作品の「質的違い」を比較しても、公平さに大きく反していると言う批判が沸騰した。特に地方では、文化芸術にかこつけたパフォーマンス風の政治運動に金をつぎ込んだ。

◆金ジョンホン氏は、文化芸術振興基金の運用を間違ったことを理由に、08年12月に解任された。彼にこれに不服して提訴し、解任処分の執行停止の決定を取り付け、2月1日から「出社パフォーマンス」を行った。1審の裁判所は、文化部による解任手続きが間違っていると判決を下し、「一つの屋根に2人の委員長」という事態を招いた。しかし2審では、異常な双頭体制は、「対内外的な法律関係から、予測可能性や法的安定性を害する」として、1審の判決を覆した。

◆上級審が、1審の判決による文化芸術委の混乱を解消したくれたことになる。もちろん、解任そのものを巡る本案の判決はさらに見守らなければならない。文化芸術委で毎日のように繰り広げられた金氏の珍しい「出社パフォーマンス」は終わったが、左右に分かれた文化芸術界を眺める気持ちは複雑だ。どちらにせよ、文化芸術を政治的目的に利用する勢力は、文化芸術界を離れ、政治界に行ってほしい。

金順鄹(キム・スンドク)論説委員 yuri@donga.com