政府が年内に286の公共機関に革新的な年俸制を導入すれば、公企業の経営効率化が一段階高まるだろう。尹増鉉(ユン・ジュンヒョン)企画財政部長官は、東亜(トンア)日報とのインタビューで、公共機関の幹部の基本給と成果給の引上げ率が、個人の実績に応じ、初期には20〜30%、後により大きな差が出るようにすると明らかにした。
公企業は現在、「建前だけの年俸制」を実施し、同一職クラスの年俸格差が平均3.8%にすぎない。公企業が、民間企業のように仕事ができる人に適切な補償を与えるには、年俸制の賃金格差が20%は出なければならない。韓国電力公社の金雙秀(キム・サンス)社長は先週、株主総会で、給与体系を成果連動年俸制に切り替える計画を明らかにした。
年俸制が、人事の競争システムとともに運用されれば、さらに効果的だろう。最近、一部の公共機関は、プロスポーツで見られる「ドラフト」方式の人事制度を導入した。空席に対し公募を受け、幹部や部署長が適任者を選任し配置すれば、成果にともなう抜擢や降格ができる。韓国取引所では、部署長33人のうち、39%の13人が交代となった。韓国観光公社と預金保険公社では、補職がないチーム長クラスの13人がチーム員に降格された。韓国電力公社でも昨年、次長クラス以上に初めて実施した公開競争方式の職位公募で、補職のない52人のうち37%の19人が、会社を去ることになった。
新たな報酬や人事システムが公務員社会にも導入されれば、税金が責任をもって、より効率的に使われるものと期待される。政府は、高級公務員に対し年俸制を実施しているが、前年に受けた成果給を翌年の基本年俸に含めており、民間企業の年俸制と比較すると賃金格差が大きくない。金光雄(キム・グァンウン)ソウル大学名誉教授は、高級公務員と開放型職級公務員に対しても、成果給重視の実質的な年俸制が施行されなければならないと強調した。
同じコストでより大きな政策効果を出した公務員は、人事と報酬で優遇し、そうでない公務員には不利益を与えるという競争体制が、行政サービスの質を高めることができる。教員評価制も、成果給と連動してこそ意味がある。公正な評価とそれにともなう人事が行き詰まった状態で、不正と非効率が大きくなる。崔洸(チェ・グァン)外国語大学教授は、「公務員の年俸制拡大に向け、評価システムのようなインフラを構築し、長官に局長と室長の人事権を名実共に委譲し、現場の評価を定着させる必要がある」と指摘した。長期的には、下級公務員まで拡大を検討されなければならない。