李明博(イ・ミョンバク)大統領は12日、朴槿恵(パク・グンヘ)元ハンナラ党代表との軋轢について、「正月なのに、党内の問題を新年まで引きずることは良くない。ここで終わりにして、新年を迎えればいいだろう」と話した。また、李大統領は、「会えない理由はない」と述べ、朴元代表と適切な時期に会合できるという考えも明らかにした。李大統領と朴元代表が会って対話をするだけでも、正面衝突の様相に突き進んでいる党内の葛藤の緩和に役立つだろう。
両者が会っても、世宗(セジョン)市の問題で完全な合意を果たすことは難しそうだ。世宗市修正案は、国家の未来のために必ず必要だと信じる李大統領と、信頼の政治のために原案を守るべきだとする朴元代表の隔たりがあまりにも大きいためだ。しかし、どちらも接点を見いだそうとする努力をあきらめてはならない。互いに心を開くことが重要だ。
親朴系の洪思徳(ホン・サドク)ハンナラ党議員は、今回の「強盗論」論議は世宗市法案とは直接関係がない一種の「接触事故」と述べた。李大統領が、「政治工学に没頭する人よりも、仕事を一生懸命する人をバックアップしたい」という趣旨で話したことは、聞きようによっては、朴元代表が自分のことを言ったと考える素地があった。しかし、朴元代表がこれを「家の中の強盗論」で答えたことは、性急だったという感じを与える。
来月にも世宗市修正案が発議され、国会に送られれば、ハンナラ党は、とことん話し合って結論を出すほかない。しかし、今のような不信感のムードを解消しなければ、どちらに党論が決定しても、与党が分裂する可能性を排除できない。これは、個人のレベルを越えて国家的損失であり、ハンナラ党の政権続投にも悪影響を及ぼすだろう。李大統領と朴元代表は、国政運営の成敗に責任を共有せざるを得ない。考えが異なっても、十分な民主的議論の手続きを踏んで結論を導き出し、その結果に従うのが政党民主主義だ。
李大統領と朴元代表は昨今の混乱に対して、誰よりも複雑な心情だろう。李大統領は、北朝鮮の核放棄と人道的問題の解決に役立つ場合、北朝鮮の金正日(キム・ジョンイル)総書記と会えない理由はないと明らかにした。朴元代表は、野党代表時代に平壌(ピョンヤン)に行って金総書記に会った。米国のブッシュ家とクリントン家は、過去の政治的競争関係に終止符を打ち、米国の未来、米国の責任をともに担うことで手を取り合った。それが、国家の未来をともに考える政治指導者の正常な姿だ。党内の葛藤もうまく解決できない指導者は、国家的に大きなことはできない。李大統領と朴元代表は今、さらなる試験台に立たされている。