北朝鮮の核問題について話し合う6者協議の北朝鮮の首席代表を務める金桂寛(キム・ケグァン)外務次官と李根(イ・グン)米州局長が9日、高麗(コリョ)航空便で中国・北京を訪れた。金次官は4日間の日程の訪朝を終え、帰国した中国共産党の王家瑞・対外連絡部長と同じ飛行機で、北京首都空港に到着した。
これに先立ち、王部長は8日、咸興(ハムフン)で金正日(キム・ジョンイル)総書記と会談し、中朝関係と6者協議の再開問題について話し合った。会談直後に金次官が中国を訪問したのは、膠着状態にある6者協議の再開をめぐる中朝間の緊密な協議の必要性のためと見られ、北朝鮮の6者協議への復帰が決定されるかどうか、注目される。
●「姜錫柱は外れ、金桂寛が動く」
金総書記は8日、現地指導中だった咸興で、王部長と会談し、「韓半島の非核化の実現は、北朝鮮の一貫した方針だ。6者協議を再開するには、関係国の誠意ある努力が非常に重要だ」と語ったと、中国国営新華社通信が報じた。金総書記は、王部長から胡錦濤・国家主席の口頭メッセージを受け、このように述べ、そのためにも中国との意見交換と協力をより一層強化することを望むと語った。
金総書記の言及は、昨年10月の中国の温家宝首相との会談で、「米国との2国間協議の進展よりも、6者協議を含む多国間協議を進める用意がある」と述べたことと比較すると、原則的な発言にすぎない。これは、金総書記と王部長の会談が、6者協議よりも中国の北朝鮮援助など、両国の懸案に集中した可能性を示唆している。
金総書記と王部長の会談に、過去の両者の4回の会談にすべて同席した北朝鮮の核問題指令塔である姜錫柱(カン・ソクチュ)第1外務次官の姿がなかったことも、このような観測を後押しする。金総書記が、6者協議の復帰などに関する具体的な返答をひとまず避けようとしたという印象を与えるに十分だ。ただ、6者協議議長国の中国の関心を無視することもできないため、北朝鮮は、金次官を中国に送り、6者協議問題を協議することで、誠意を示したものと見られる。
結局、金総書記は、王部長と6者協議に関する細かい協議を避ける代わりに、両国の実務者による調整に応じるという姿勢を現わしたと解釈される。
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