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[オピニオン]難民支援センター

Posted January. 12, 2010 08:51,   

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英国第2位の金融グループのバークレイズ銀行は08年末、ボスニア難民出身のダイアナ・ジェンキンスのおかげで、金融危機を克服することができた。ジェンキンスは、普段から知り合いだった中東王族らから73億ポンド(約13兆ウォン)の投資を誘致し、夫が取締役を務めている銀行を救った。ボスニア内戦真っ只中の1993年、英国に脱出したジェンキンスは、身を削る努力で貯めた財産を足がかりに、有名人となった。難民の苦痛をよく知っているジェンキンスは昨年、映画俳優のジョージ・クルーニーなどが参加したチャリティー・パーティーを主催し、スーダン・ダルプールの難民のために1000万ポンドを募金したこともある。

◆ジェンキンスのように外国に定住し成功した人もいるが、祖国を離れた政治的・経済的難民らの大半は、他国でつらい毎日を送っている。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は08年、世界で1520万人の難民が発生したと発表した。このうち40万人余りだけが法的手続きを経て、難民、または亡命者として外国に定住した。大半は中国大陸をさまよう脱北者のようにさすらっていたり、難民村で命を食いつないでいる。難民らにとって、世の中は公平でも、平坦でもない。

◆韓国も、難民受け入れに関しては自慢できない。1994年から昨年9月までに、計2410人の外国人が難民申請を行ったが、政府は145人のみに対し、難民と認めた。難民認定率は、「難民の地位に関する協約」の加盟国としては、恥ずかしい水準である6%に過ぎない。このような現状の下、政府が12年に、永宗島(ヨンジョンド)に、150〜200人を収容できる難民支援センターの建設を決めたのは、嬉しい限りのニュースである。政府は、京畿坡州市(キョンギ・パジュシ)に建設予定だった難民センターが、市議会や住民らの反発を受け、白紙になったことを教訓に、今度は必ず成功させてほしい。

◆毎年、難民や亡命者を大勢受け入れている国の上位は、米国やフランス、カナダ、英国が占めている。先進諸国が難民対策でも先導している。経済協力開発機構(OECD)や開発援助委員会(DAC)への加盟、金融サミット(G20)首脳会議の開催により、韓国のレベルが格上げされたという国内での評価は高い。難民対策も人道的な面だけでなく、国の存在感も高められる分野である。我々が積極的に難民を受け入れれば、中国に対し脱北者を強制送還せず、難民として認めるべきだという要求も、より堂々とできるだろう。

方炯南(パン・ヒョンナム)論説委員 hnbhang@donga.com