米セントラル・フロリダ大学・物理学科のコスタス・エフティモウ教授やソハン・ガンジー教授は07年、ヴァンパイアは存在できない」ということを数学を持って証明した。彼らはヴァンパイアが初めて登場した時期を1600年1月1日、当時の世界人口を5億3687万人と見積もった。一人のヴァンパイアが二人の首筋の血を吸い、その2人がそれぞれ2人ずつの血を吸うやり方で計算する場合、2年6ヶ月後の1602年6月なら、人類は全滅するという。えさを手にできないヴァンパイアはどうなったのだろうか。
◆ユーモア感覚を伺わせるこの研究結果は、経済学者まで加わり、学界では面白い論争を巻き起こした。「ヴァンパイアは馬鹿ではないため、食料源を食べつくすことはないだろう」という反論がそれである。食料源が不足するなら、ヴァンパイアの増加の勢いは萎縮されるという論理も成立する。ヴァンパイアは現代の大衆文化の中では最も魅力溢れるコンテンツだ。血を吸うことは人間の根源的な恐怖心を刺激する。十字架やニンニク、鉄のくいのようなものによって崩れる設定は、彼らの実存的な脆弱性を示している。自分が望んだことではないという状況設定は、存在の悲劇性をあらわにしている。
◆1897年、アイルランドの作家、ブラム・ストーカーが小説「ドラキュラ」を書いた後、怖くて神秘的なヴァンパイアのテキストは、数多い小説や映画へと変奏された。1950年代のクリストファー・リー主演の一連のドラキュラ映画が、美女の首筋をかむ性的コードのドラキュラを想像して以来、ヴァンパイアは、「愛には弱い存在(ゲリー・オールドマン主演のドラキュラ)に、「人間的な悩みをする存在(ヴァンパイアとのインタビュー)」に、「人間のために種族に対して狩を行う存在(ブレイド)」に、絶え間なく進化を遂げてきた。
◆世界が再びヴァンパイアのブームに包まれている。映画「トワイライト」の後続編である「ニュームーン」が米国で、公開初日の収入としては史上最高を記録した。映画の主人公の実際の年齢は100歳を超えているが、17歳の少年の姿をしているヴァンパイアだ。彼は人間の少女を愛するが、近づくことのできない吸血鬼の宿命に悩まされる。少年少女らが見え透いた物語に熱狂している。天の下で新しい物語の種を見つけるのは難しい。ニュームーンはありきたりの素材も、どう加工するかによってはいくらでも、新たなコンテントと生まれ変われることを示している。
鄭星姫(チョン・ソンヒ)論説委員 shchung@donga.com






