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[オピニオン]域外脱税

Posted November. 20, 2009 09:10,   

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曉星(ヒョソン)グループ会長の子供らによる米国内での不動産購入疑惑が明らかになったのは、「1人メディア」であるアン・チヨン氏の主張がその発端となった。韓国と米国で記者生活をしたことのあるアン氏は、米ニューヨークで個人ブログ(Secret of Korea=http://andocu.tistory.com)を運営している。氏は主に、ネット上での検索や登記所への閲覧により、韓国人や在米韓国人らの米国内における不動産の取引や保有現状について追跡を行ってきた。米国は、インターネットを通じての不動産情報の公開制度があり、自由な閲覧ができるので、これが氏の「追跡用武器」となっている。最近亡くなった李厚洛(イ・フラク)元中央情報部長の家族の米国内における不動産取引の内容を公開したのもアン氏だった。

◆世界各国は昨年、米国に端を発した金融危機以来、新たな税源確保に迫られ、「域外における脱税」への追跡や遮断活動により積極的に乗り出している。域外脱税とは、国内で発生した所得について税金を納めず、不法に海外に隠したり、海外で発生した所得を国内に申告しないことを指す。米国は今年10月まで、国税庁(IRS)が免責プログラムを使い、海外における銀行口座についての申告を受け付けた。その結果、1万4700人余りが申告しており、彼らの口座を持っている国を全て数えれば70ヶ国以上になる。IRSは、この申告を基に、数十億ドルの税金を取り立てることができると期待している。

◆韓国の国税庁も、次長直属で「域外脱税の追跡専従センター」を立ち上げ、国際取引を利用した脱税を最初から遮断すると、18日に明らかにした。投資を装った高額資産家らによる資金の海外への逃れ、租税回避国や金融秘密主義国家における秘密口座を利用した財産の海外への逃れなどを、徹底的に監視するのが狙いだ。域外脱税への追跡は、一部の国の金融秘密主義が崩れていることと無縁ではない。しかし、韓国がスイス銀行の秘密口座を覗き見ることは容易ではないだろう。

◆アン・チヨン氏が見つけ出したものは、歴代の韓国権力者や関係者らが海外に隠した全財産規模に比べれば、氷山の一角ではないだろうか。域外脱税への追跡専従センターが、かつて疑惑で持ち切りだった権力者らが海外に隠した財団や銀行の秘密口座の一部でも探し出すことができれば、遅ればせながらそれなりの意味はある。「腐敗した金づる」を遮断するという未来的な効果も期待できる。

権順澤(クォン・スンテク)論説委員 maypole@donga.com