北朝鮮は14日に開かれた南北当局間実務会談で、先月6日の臨津江(イムジンガン)のファンガンダムを突然の放流により、韓国側に6人の死者が出たことに対し、遺憾を表明し、遺族への弔意を表わした。韓国政府はこれを臨津江惨事に対する謝罪と受け止めた。
南北は同日、開城(ケソン)工業団地内の南北経済協力協議事務所で、臨津江水害防止問題を話し合う南北当局者間の実務会談を開いた。統一部当局者は、「北朝鮮代表団が『臨津江事故で、南側に予期しなかった人命被害が出たことについて遺憾に思う』とし、遺族への深い弔意を表明した」と明らかにした。その上で、「北側が『謝罪』という言葉は使わなかったが、総合的な脈絡から、北朝鮮が謝罪をしたものと受け止められる」と述べた。
北朝鮮の過ちで発生した韓国側の人命被害に対し、北朝鮮はこれまで5回遺憾表明をしているが、遺族への弔意を表わしたのは初めて。北朝鮮は臨津江惨事が起きた翌日の7日、「臨津江上流ダムの水位が高くなったため、水を急いで放流したが、今後、大規模な放流を行う際は、南側に事前通知する」とだけ知らせてきた経緯があった。
北朝鮮代表団は、無断放流の原因について、「担当機関でさらなる被害を防止のため、やむを得ず、緊急に放流せざるを得なかった」と釈明したが、「さらなる被害」が何を意味するかは説明しなかった模様だ。統一部当局者は、「十分な説明とは言いにくいが、政府としては、北朝鮮側がそれなりに経緯を説明したものとみている」と語った。
南北は、臨津江水害防止について協議を続けることで合意したが、次回会談の日程は決めなかった。南北は、次回会談について、今後、板門店(パンムンジョム)の赤十字を通じ、文書で意見を交換することを決めた。この日の会談では、南北でそれぞれ3人の代表が出席した。韓国側は、金南植(キム・ナムシク)交流協力局長が、北側はイ・ヨンホ民族経済協力連合会室長が首席代表を務めた。
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