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温首相「北は南北関係の改善を希望」…その狙いは?

温首相「北は南北関係の改善を希望」…その狙いは?

Posted October. 12, 2009 08:15,   

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10日、韓中日首脳会談の最大の関心事は、北朝鮮の金正日(キム・ジョンイル)総書記に会って帰国した中国の温家宝首相がどのようなメッセージを伝えるのかということだった。金総書記の6者協議参加の可能性の言及がどのような脈絡なのかを把握することが、核問題解決の構図の行方を見計る試金石になるためだ。しかし、表面上、北朝鮮側の態度は大きく変わっていないというのが大方の評価だった。

●6者よりも二国間交渉?

温首相は、北朝鮮側が2国間および多国間チャンネルを通じて核問題の解決を希望すると述べた。(ただ、北朝鮮側は)条件をもうけることを提案した」と説明した。北朝鮮側が、米国の「対北朝鮮敵対政策の撤回」という条件を依然として掲げていることを示唆したものだ。

にもかかわらず、温首相は、核問題解決の道に進むには、北朝鮮に対する積極的な姿勢の変化が必要だと強調した。温首相は、6者協議の再開について、「機会を正確につかまなければ、消える恐れがある。機会をつかんで利用してこそ、私たちは積極的な進展を果たすことができる」と述べた。これは、中国の助けを必要とする切迫した北朝鮮の声を無視することが難しい中国の境遇を示唆している。

特に、温首相は、「北朝鮮側が米朝関係の改善を希望しただけでなく、韓国、日本との関係改善も考えている」と伝えた。中国が北朝鮮と接触し、米朝接触も近く実施されるものと予想されるだけに、6者協議前に韓国と日本も北朝鮮との接触に乗り出し、交渉局面に転換するための動きを模索しようと注文したわけだ。温首相が伝えた金総書記の南北関係および日朝関係改善の意向は、「米朝接触→6者協議」という現在の予想構図を「米朝接触→南北接触および日朝接触→6者協議」の方向に変えることを希望していると解釈できる。

しかし、北朝鮮のこのような態度は、米国と核問題を交渉し、韓国と日本からは経済支援を取りつけるといういわゆる「各個撃破」を意図している可能性が高い。政府は、米朝接触の進行過程と結果を見て、慎重に対処する方針だ。生半可に処理方式を変えれば、北朝鮮の意図に巻き込まれる可能性があるためだ。

●「金総書記の提案よりも行動が必要…」

金総書記が、米朝接触を目前にした時点で、韓国、日本との関係改善の意志を示したことは、「米朝二国間交渉の構図」に役立つ突破口を模索しようという意図と解釈される。国際社会の制裁から抜け出そうという計算の可能性が高い。

しかし、韓国政府は、南北対話が単に北朝鮮に経済支援をする道具に転落することは受け入れられないという点を明確にした。李明博(イ・ミョンバク)大統領が、北朝鮮側に「グランドバーゲン」構想を説明すると強調したのも、核問題を南北対話と結びつけて解決するという意志を再確認したものと分析される。

中国を媒介にした北朝鮮の意志伝達の方式や内容は、故金大中(キム・デジュン)元大統領の弔問団が見せた態度と似ているうえ、ひとまず制裁局面を避けて、核放棄のない融和局面に導こうとする戦術だ。北朝鮮の意図どおりに従って南北対話が開かれても、結局は核問題は解決できず、時間だけ浪費する可能性が高い。

このため、政府は、対北朝鮮制裁と対話を並行する「ツートラック・アプローチ」を継続させ、北朝鮮が本当に核放棄に乗り出す場合、南北関係を改善するという目標を維持する方針だ。



spear@donga.com koh@donga.com