バラク・オバマ米大統領のアフガニスタン構想の輪郭が明らかになりつつある。アフガン駐留米軍のスタンリー・マクリスタル司令官が4万の兵力増派を要請した後、軍首脳部、共和、民主両党の指導部、内閣の外交安保チームなどと相次いで会議を行なったオバマ大統領は、アフガンの土着タリバン勢力よりも国際テロネットワークのアルカイダを掃討することに焦点を合わせる一方、兵力増派は制限的に承認するもようだ。
米政府関係者は、オバマ大統領の外交安保チームが、アルカイダとの戦闘を最優先の目標にする代わりに、タリバン掃討問題の比重を相対的に下げる方向で戦略を構想中だと伝えたと、AP通信が8日に報じた。同関係者は、「オバマ大統領が構想中のアフガン戦略は、タリバン勢力の権力復帰を容認しないだけでなく、アフガンをアルカイダの隠れ場所にすることを許さないということが基本原則だ」と話した。
しかし、オバマ政府は、タリバンがアフガンの文化の中に根深く入り込んでおり、国民の間にカルザイ現政権に比べて正統性を持っており、完全に掃討するのは不可能だという現実を認めたようだ。同関係者は、「オバマ政府は、タリバンの一部勢力をアフガンの一部分に受け入れる準備ができているようだ。しかし、タリバンを受け入れるには、彼らが現在の武力闘争路線を放棄し、中央政府に参加することが前提条件だ」と説明した。
このようなオバマ大統領の構想は、大英帝国、旧ソ連などが失敗を味わうなど「帝国の墓」と呼ばれるアフガンで、長期間の消耗戦をしないという意思が反映したと分析される。すでに米国は8年間の戦争で、870人以上の死者を出している。
タリバンに対する全面的な掃討作戦が、米国のアフガン戦略から除外される場合、現地に大規模の戦闘兵力を増強させる必要性は減り、その代わりに既存兵力を利用してアルカイダが潜伏するパキスタンの拠点を攻撃する戦略に焦点を合わせることができる。
しかし、上院軍事委員のジョン・マケイン共和党議員をはじめとする保守陣営では、「アルカイダとタリバンは別組織ではないため、タリバンを容認することは、アルカイダの勢力拡張を放置することと同じだ」反発している。オバマ大統領のアフガン戦争の最終構想は、10月中旬に発表される予定だ。
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