毎年8月に行われる英エディンバラ・フリンジ・フェスティバルは、ギネスブックに掲載されている世界最大規模の文化フェスティバルだ。第2次世界大戦で傷つけられた欧州の人々の心を癒すため、1947年に始まったこのフェスティバルは、世界各国から毎年1000万人を越える観光客を集める。07年、ドイツ・ミュンヘンの「オクトーバーフェスト」の時は、620万人が駆けつけ、694万リットルのビールと7万9624リットルのワインを飲んだ。仮面を使うカーニバル・パレードで、有名な米ニューオリンズの「マルディグラ」フェスティバルが、地域経済に与える効果は、1兆2000億ウォンに上るという分析もある。
◆世界的に有名なフェスティバルとしては、ブラジルのリオのカーニバル、イタリアのベニス・カーニバル、スペインのトマト・フェスティバルも欠かすことができない。トマト・フェスティバルは、1944年、トマト価格の大暴落に憤慨した農民たちが、政治家にトマトを投げつけたのが祭りへ発展した。アジアでは、悪条件の気候を逆の発想で、利用した日本の札幌「雪祭り」、モンゴルの「ナダム祭り」やタイの「ソンクラーン・フェスティバル」などが有名だ。世界的な都市フェスティバルは、都市のイメージはもとより、国家ブランドと経済に与える波及効果は計り知れない。
◆国内でも、地方自治体が主催する多様なフェスティバルが年中を通して行われる。フェスティバル開始10年の今年4月24日から17日間、有料入場客53万人を記録した全羅南道咸平(チョルラナムド・ハムピョン)の「蝶フェスティバル」、20年ぶりに国際的な名声を得た江原道春川(カンウォンド・チュンチョン)の「マイム・フェスティバル」は、代表的な成功例だ。1999年、英国女王の訪問により、有名になった「安東(アンドン)タル踊りフェスティバル」も人気を集めている。しかし、コンテンツや住民参加の不足で、「口先だけのフェスティバル」の場合も少なくない。
◆フェスティバルの季節の秋がやってきたが、新型インフルエンザ拡散のため、打撃を受けている。政府は最近、延べ人員が1000人以上参加し、2日以上続けられる自治体のフェスティバルを原則的にキャンセルするようにした。777件の自治体のフェスティバルの中で、既に167件がキャンセルまたは先送りされ、65件は規模を縮小した。仁川(インチョン)世界都市祝典は、会場の入り口に全身殺菌消毒装置を設けるなど、新型インフルエンザの予防に最善を尽くしているが、来場客の数が目標を下回っている。ついでに、税金を浪費するだけの有名無実なフェスティバルは、選り分けられる契機になってほしい。
権順澤(クォン・スンテク)論説委員 maypole@donga.com