故金大中(キム・デジュン)元大統領の生前に日の目を見ることができなかった自敍伝が近く出版されることが19日、分かった。
東橋洞(トンギョドン)系(金大中元大統領の側近グループ)のある元議員は、「金元大統領が死去しため、記念事業の一つとして出版作業を予定通り進める」と話した。
具体的な出版の日程は、金元大統領の葬儀の手続きが終わった後に明確になるものとみえる。しかし、自敍伝の出版準備は事実上終わった状態のため、年内にも出版できるもようだ。
金元大統領の側近である民主党の朴智元(パク・チウォン)議員は、「金元大統領が李姫鎬(イ・ヒホ)夫人に(自敍伝に関して)特に言葉は残さなかったが、校閲もほぼ終わっている」と話した。そして、「(金元大統領が)7月初めに、最終の校閲を兼ねて執筆に参加した人々と昼食会を開こうとしたが、健康の悪化で取り消しになった」伝えた。
金元大統領は入院直前にも、韓勝憲(ハン・スンホン)元監査院長や柳時春(ユ・シチュン)元国家人権委員会常任委員ら自敍伝の編纂に加わった人々に、「私の息づかいと魂を込めて、うまくまとめてほしい」と言い、強い愛着を示したという。執筆に参加したある関係者は、「(金元大統領が)小見出しまで直接決めるほど念を入れていた」と語った。
金元大統領は、05年頃から自敍伝を準備し始め、約60回にわたって口述を行なった。入院2日前の先月11日まで、87年の大統領選挙当時の候補一本化論議などについて、長時間口述したという。口述の内容はすべてビデオに録画された。執筆に参加した関係者が口述内容を整理し、金元大統領の在任中の資料も活用された。このように作られた草稿の分量だけで、原稿用紙約5000枚に達した。
自敍伝は上下巻で企画された。出生から97年の大統領選挙前までと、政権獲得以降の時期に分けられた。自叙伝には、前職大統領を含め、政治指導者たちとの個人的な関係や、軍事政権が自分に「過激」、「左傾容共」などのイメージをつけたことに対する無念の心境なども含まれているという。いっぽう、金元大統領が獄中で李夫人とやりとりした手紙の内容をまとめた「獄中書信」も、近く出版される予定だ。9月には日本で、『金大中評伝』が日本語で出版される予定だ。
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