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[オピニオン]青酸カリ女優・金ミンソン

[オピニオン]青酸カリ女優・金ミンソン

Posted August. 12, 2009 08:38,   

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「狂牛病が蔓延している牛を骨ごと輸入するなんて、かえって青酸カリを口に入れた方がまし」。昨年5月1日、ミニホームページに書き込んだこの発言で、女優・金ミンソンは一気に浮上した。1999年、映画「女高怪談2」でデビューし、04年、MBC優秀演技賞を受賞したが、その時まで金ミンソンはスターとは言いがたい状態だった。ポカホンタスのように野性的でありながら知的で、セクシーさも持っているものの、デビューして10年が経つのにあまり注目されることはなかった。4月28日、「米国産牛肉=狂牛病」というMBCの「PD手帳」が放送された後、金ミンソンは芸能人の中で素早い反応を示した。一部のネットユーザーは、ホームページを訪れ、「自己哲学のある女優」と褒め称えた。金ミンソンが出演して11月に封切された映画「美人図」は大ヒットを記録した。

◆肉類輸入業者の(株)エイミートを運営する朴チャンギュ社長が一昨日、PD手帳と金ミンソンを相手取って3億ウォンの損害賠償を請求した。歪曲・誇張報道と発言によって莫大な被害を受けたというのが理由だ。放送が偽りであることが明らかになった後、MBCと金ミンソンが公開謝罪でもするものと期待していたが、最後まで沈黙してきたため、この段階で乗り出したというものだ。自由主義進歩連合は、「有名芸能人として今でも間違った発言による国民的な誤解を解くように努めよ」と金ミンソンの謝罪を要求した。

◆金ミンソンがどうして突然そのような刺激的な発言をしたのかは定かではない(筆者は何度も電話インタビューを試みたが、つながらなかった)。ただ、映画であれ、金ミンソン自身についてであれ、確実なマーケティング効果を上げたのは確かだ。「美人図」の封切り当時、「金ミンソン、美人図で狂牛病のトラブルを乗り切る」云々という芸能記事があふれた。しかし、PD手帳の偽りの報道が明るみになったにも関わらず、金ミンソンはダンマリを決め込んでいる。所属するマネージメント会社は、「すでに過去のことなのに、訴えられて困惑している」とだけコメントした。

◆05年、芸能人Xファイルが流出した時、金ミンソンは記者会見を開き、「芸能人に対する不正確な報道がインターネットに流布され、演技者として基本的な人権まで奪われた」と憤慨した。昨年、自分が米国でハンバーガーを食べている場面が放映されると、「青酸カリ発言以前に撮った画面」だとして、所信を曲げなかった。芸能人だからといって現実参加してはならないということはない。しかし、自分の発言によって誰かが損害を受けたら、責任を負う態度を見せなければならない。芸能人以前に人間としての道理だ。

金順徳(キム・スンドク)論説委員 yuri@donga.com