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[社説]地上波テレビでは真実が分からない世の中

[社説]地上波テレビでは真実が分からない世の中

Posted July. 01, 2009 03:05,   

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公営放送のニュースが事件の一面だけを取り上げ、真実を歪曲する偏向性、不公正性の重症度が、ますます増している。先月10日、ソウル広場では、李明博(イ・ミョンバク)政権に反対する左派勢力が、6・10抗争22周年汎国民大会を行なった。付近の太平路(テピョンロ)まで占拠し、都心の交通を麻痺させた明白な不法集会だった。その翌日の11日、KBS、MBC、SBSの地上波の夕方のニュースは、「警察が集会参加者を暴行するなど、強硬な鎮圧を行ない、波紋が広がっている」と一斉に報じた。キャスターがニュースを紹介する画面には、「盾で殴りつける(MBC)」という扇情的なタイトルがつけられた。

KBS「9時ニュース」は、警察がデモ隊を解散させる過程で、盾を使って集会参加者の頭を殴る映像を流した後、「(参加者が)地面にそのまま倒れた」と刺激的に伝えた。さらに、「被害者」を名乗る人の「突然、盾で多くの人(警察官)が押し入って、靴で踏みつけて…」というインタビューを流した。同日のMBC「ニュースデスク」は、常習のデモ隊が含まれた不法デモ参加者を「市民」と呼び続け、警察の鎮圧場面を集中的に放送した。左派インターネット・メディアも口裏を合わせたかのように同様に報じた。これらの報道だけを見れば、事件の「真実」は「国民の警察が善良な市民に無慈悲にも暴行を加えた」ということだ。

しかし、ソウル地方警察庁が撮影して公開した映像を見れば、当時、デモ隊が警察に加えた暴力も深刻だった。マスクで顔を覆ったデモ隊が、警察をつかまえて無差別に暴行を加え、顔にスプレーをかけたり、道路を整理する交通警察官にまで殴りかかる光景が含まれていた。同日のデモでは、警察15人がデモ参加者によって負傷し、病院で治療を受けた。警察、デモ隊のいずれの暴力がひどいか判断するのは難しい。しかし、テレビのニュースは、デモの一面だけを報道した。

ニュースの放送後、地上波テレビのホームページには、「李明博大統領の猟犬がやらかした」、「ヤクザも警察も同じだ」といった警察を非難する書き込みが続いた。警察も、デモ隊から暴行されたという内容をともに伝えたなら、反応は違っただろう。地上波テレビだけを見ては、誤った判断をするか、真実を把握することができない世の中だ。

このケース一つから見ても、国会が6月の臨時国会で、メディア法改正案を必ず通過させなければならない必要性は明らかだ。放送の門戸を開く立法を通じて、左偏向メディアが支配する放送界に別の視点と観点を持つ放送を参入させることで、視聴者が真実により近づくことができる。