欧州では今、銃声なき戦争が真っ最中だ。欧州サッカー連盟(UEFA)チャンピオンズリーグを最後にシーズンは閉幕したものの、むしろ熱気はさらに盛り上がっている。今季はスペインリーグのレアル・マドリード(レアル)の動きが目を引く。今シーズン無冠に止まった上、ライバルのFCバルセロナ(バルシャ)の欧州制覇を見守ったレアルは、来季、世界最高クラブの栄光を取り戻す構えだ。もう天文学的な移籍金を支払ってカカとクリスチアーノ・ロナウドを迎え入れた。
レアルのこうした動きは、他のクラブを刺激している。イングランド・プレミアリーグのチェルシー、マンチェスター・シティーなど、お金持ちのクラブを中心にスター選手の迎え入れをめぐる争いが白熱している。本紙はこのようなサッカー熱気を受け、国内のサッカー専門家が選ぶ「世界最高のサッカークラブ」を調査した。KBS、SBS、MBCのサッカー解説委員8人が調査に参加した。現在まで移籍の進め具合、これからの移籍の見通しなどを考慮した結果を調査に反映した。
●攻撃力はバルシャとレアルがトップ
解説委員が選んだ世界最高クラブの候補郡は、バルシャ、レアル、マンチェスター・ユナイテッド(マンU)、チェルシーのビック4にまとめられる。一番高い支持を得たクラブはやはりバルシャ。解説委員の8人のうち5人が最も期待されるクラブとしてバルシャを選択した。バルシャは攻撃力(9)、守備力(8)、組織力と戦術遂行能力(9.1)、監督など外部の条件(8.6)など全ての項目で高い点数が付けられた。
反面、バルシャの対抗馬、レアルは攻撃力(9)ではバルシャと同じ点数をつけられたが、守備力(7.1)と組織力(7)の面でバルシャに大きくリードされた。実際、レアルは昨季、リーグで52ゴールを奪われ、バルシャ(35)に比べて組織守備力が弱いと指摘されてきた。
KBSのハン・ジュンヒ解説委員は、「レアルがお金をかけるべきどころは、中央のMFと守備手のポストだ」とし、「シャビ・アロンソ、ダグラス・マイコンらの迎え入れに失敗したら、『エル・クラシコ・ダービー(レアルとバルシャのライバル戦)』の主人公はバルシャになる可能性が高い」と指摘した。
昨季、プレミアリーグで1310分の無失点記録を立てたマンUは、守備力(8.8)で4チームの中で一番高い点数を得た。しかし、ロナウドが離れた攻撃力は7.9で期待に及ばなかった。チェルシーは攻撃力(7.6)と監督ら外部条件(7.8)で一番低い点数をつけられた。移籍説が取りざたされているストライカーのディディエ・ドログバに代われる攻撃手がいないという点がチェルシーの弱点だ。
●バルシャでのメッシ、レアルのロナウドとカカ
解説委員らは、今季、バルシャの成績を左右するキープレーヤーとしてリオネル・メッシを挙げた。MFのアンドレス・イニエスタ、シャビ・エルナンデスをそれぞれ選択したSBSのパク・ムンソン解説委員とMBCのソ・ヒョンウク解説委員を除いた残りの解説委員はみんなメッシを選んだ。
KBSのイ・ヨンス解説委員は、「メッシが今年並みの活躍をするとしたら、バルシャの火力に太刀打ちできるチームはほとんどない」と話した。
レアルでは移籍してきたデュオ・カカとロナウドコンビがキープレーヤーに選ばれた。解説委員らは、「カカとロナウドがどれほど調和をなして活躍をしてくれるか次第で、レアルは『大成功』と『大失敗』の分かれ道に立たされるだろう」と予想した。
マンUの中核プレーヤーとしてはウェイン・ルーニーの名が一番多く取り上げられた。マンUが新しく迎え入れる攻撃手を変数に挙げた解説委員もいた。ロナウドの代わりに迎え入れた新しい攻撃手が期待以下の活躍に止まる場合、マンUは案外不振に苦しむこともありえる。チェルシーではフランク・ランパードの役割が重要だとの意見が多かった。
KBSのチェ・ギョンシク解説委員は、「チェルシーはチームの雰囲気次第で競技力も変化が激しいチームだ。精神的な大黒柱のラムパードの役割が重要だ」と指摘した。
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