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[オピニオン]リアリティのテレビ・ショー

[オピニオン]リアリティのテレビ・ショー

Posted June. 03, 2009 07:37,   

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ジム・キャリー主演の映画「トゥルーマン・ショー」。平凡なサラリーマン、トゥルーマン・バーバンクは1日24時間放送される生放送の主人公である。世界の視聴者らが彼の誕生から成人になったこれまでの一挙手一投足を見守っている。トゥルーマンを取り巻く全ての世界は舞台のセットに過ぎないということに気づかないのは、主人公のみである。映画は、カメラで埋め尽くされたセット場を、トゥルーマンが脱出することで終わるが、「果たして人間を見世物にすることができるだろうか」という重い質問を投げかけた。

◆04年から始まった米NBCのリアリティ・ショー、「見習社員(アプレンティス=Apprentice)」の中で、不動産財閥、ドナルド・トランプは出演者らに向かって容赦なく、「君は首だ(You are fired)」と吐き出す。16人の参加者のうち、最後まで生き残った一人のみが25万ドルの年収のかかったドランプス社の正社員になることができる。「バチェラ(The Bachelor)」や「テンプテーション・アイルランド」は、露骨な恋愛リアリティ・ショー番組である。出演した男女は、相手を誘惑するため、ありとあらゆる方法を動員する。

◆このような人気リアリティ・ショーのフォーマットを韓国放送界が見過ごすはずがない。「ファミリーが来た」や「1泊2日」のような番組は、リアリティ・ショーと呼ぶにはあまりにも意図的な演出が多い。韓国の本格的なリアリティ・ショーは、ケーブル・テレビが主導している。「ソ・インヨンのKAIST」や「ペット男を育てる、私はペット・シリーズ」は、主人公が実際の状況の下で右往左往する姿を見せることで、視聴者から愛されてきた。米国のリアリティ番組「プロジェクト・ランウェイ・コリア」は、ケーブル・テレビとしては高い2%台の視聴率を記録したこともある。

◆英国の「ブリテンス・ゴッド・タレント(Britain’s Got Talent)」を通じて、一躍スターとなったハイミスのスーザン・ボイル(48)氏は、決勝戦での敗北以来、精神的なショックを受けて入院したという。リアリティ・ショーは最終勝者が賞金や恋人、名声を全て勝ち取る仕組みである。全てが露出された状況で、カメラに慣れていない一般人が、そのような激しい競争に耐え切るのは容易なことではない。参加者らのプライバシーが過度に露出され、感情に傷つけながら、娯楽機能のみ最大化されるリアリティ・ショーを、手ばなしで楽しむべきかどうか。そろそろ気になり始める。

鄭星姫(チョン・ソンヒ)論説委員shchung@donga.com