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[オピニオン]左偏向放送の10年

Posted May. 16, 2009 10:39,   

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前・現職の放送関係者らが、「放送改革市民連帯」という団体を作って、放送改革や公正性の回復を促す活動に乗り出した。一昨日の発足式で彼らは、「放送掌握を巡る衝撃的な報告書」をまとめた。金大中(キム・デジュン)や盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権時代の10年間、直接体験したことを証言した内部告発である。金大中政権時の代表的なイデオロギー番組だったMBCの「いまや語ることができる」は、最初は12部作と企画されたものの、正規番組へと変更された。「金日成(キム・イルソン)による抗日武装闘争」や日本植民地から独立した後の現代史を左偏向の見方で取り扱い、反米感情を広めるのに一役買った。視聴率を10%と見積もり、放送時間(年平均12回)を合計すれば、毎年480万人の視聴者が720分ずつ、「不穏な思想教育」を受けたことになる。

◆00年、KBSは、「緊急入手、脱北難民7人の証言を公開」を「日曜スペシャル」時間に放送することを決め、予告放送を行った。北朝鮮の惨状に対する脱北者の証言が盛り込まれていた。しかし、放送の数日前、キャンセルとなった。北朝鮮の機嫌をうかがったためである。最近、放送局の労組は、「李明博(イ・ミョンバク)政府が放送の掌握に乗り出している」と、ともすれば街頭に出るが、この時の労組は物静かだった。

◆02年の大統領選挙を控え、KBSの「9時ニュース」は、李會昌(イ・フェチャン)候補の息子の兵役逃れ疑惑を、7月から10月にかけて計101件も扱い、「絨毯爆撃」を行った。後ほど、名誉毀損として有罪判決を受けた金デオブ氏の主張をそのまま引用し、事実であるかのように追い込んだ。1997年の大統領選挙の際、同事案を19件扱ったことと比べれば、5倍も多かった。盧政権が任命したKBSの鄭淵珠(チョン・ヨンジュ)社長は、改革番組と偽装した「メディア・フォーカス」や「現代人物史」などを持って、左偏向放送の砲門を開いた。「ソウル1945」(KBS)や「辛旽(シンドン)」(KBS)のようなドラマまでも、大韓民国の建国勢力を叱咤し、保守勢力を守旧腐敗集団と決め付けるのに利用した。

◆このような左偏向の報道は、事実上、労組が主導するのも同然だった。盧政権時代は、放送労組誕生以後、唯一にストがなかった時期だと、同報告書では記している。同報告書は、「10年間、KBSやMBCはイデオロギー扇動のラッパ手であり、労組は政権の放送掌握の先鋒隊だった」と書いている。国民の価値観を深刻にミスリードした放送の根っこを取り払うのに、国や社会が力をあわせるべきだ。

洪贊植(ホン・チャンシク)論説委員 chansik@donga.com