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[オピニオン]白ご飯

Posted April. 15, 2009 03:02,   

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北朝鮮では、衣食住を「食衣住」と言う。しかし、食糧問題を解決できていない。北朝鮮の食糧難は、90年代半ばの「苦難の行軍」時代が最も深刻だった。飢え死にする人が約300万人にのぼるというから、その惨状を想像に絶する。核開発による国際的孤立や自然災害も原因だが、根本的な原因は、政治・経済・社会体制の失敗にある。住民が、韓国よりも怠惰であるとか、頭が悪いためではない。北朝鮮の食糧難は、国連や米国、韓国の援助で、多少改善に向かっていたが、07年以降、再び悪化した。

◆韓国に定着した脱北者たちは、北朝鮮社会の階層を食卓に上る食事を基準に上中下に分ける。上流層は、コメのご飯に肉、果物、イカ、アイスクリームを食べることができる家庭で、中産層は、コメのご飯は食べられるが、その他の食べ物は買えない家庭だ。下流層は、雑穀を主に食べる家庭である。体制維持の主軸である人民軍内でも、「強栄失トンム」(ひどい栄養失調にかかった兵士)という言葉が流行するほどだ。

◆トウモロコシやジャガイモ、うどんで食いつなぐ下流層は、それでもましな方だ。「朝ご飯を食べて、昼ご飯を探し、昼ご飯を食べて、夕飯を探す」極貧層が半数に近いという。彼らの代表的な食べ物は、豚の飼料に使われるような「人造肉」だ。豆腐工場から出た豆の皮を水で練って、うどんを作る機械で作ったものをそう呼ぶ。「苦難の行軍」は、94年の寧辺(ヨンビョン)核施設で核危機が高まった後に始まった。06年の核実験は、07、08年の食糧難を深刻化させた原因に挙げられる。

◆5日のテポドン2号の発射に費やした3億ドルは、昨年1年間の食糧不足分100万トンを輸入できる巨額だ。金日成(キム・イルソン)は生前、「人民が、白ご飯に肉のスープを食べ、絹の服を着て、瓦屋根の家で暮らせるようにしなければならない」と言った。それならば、当然、核兵器やミサイル開発よりも、人民を食べさせることに総力を上げなければならない。米ワシントンポストは最近、「韓国に住む脱北青少年たちは、コメのご飯を食べる時、北朝鮮にいる家族のことを考えて、罪悪感を感じ、涙を流す」と報じた。本当に罪悪感を感じなければならないのは、先軍強盛大国を云々し、珍味を輸入して一人で食べる金正日(キム・ジョンイル)総書記ではないか。

陸貞洙(ユク・ジョンス)論説委員 sooya@donga.com