北朝鮮が、開城(ケソン)工業団地を、韓国に圧力をかける人質として露骨に活用していることで、開城工団の成功の可能性に懐疑が提起されている。開城工団が結局閉鎖される場合、南北のうちどちらがより大きな被害を受けることになるのか。
▲韓国の被害〓政府と開城工業地区管理委員会によると、昨年11月現在、開城に入居した韓国企業は、約4500億ウォンを生産設備と人件費に投資した。京義(キョンウィ)線、東海(トンヘ)線鉄道および道路の開通や物流団地の建設などに6580億ウォン、工団用地や電力、通信施設に3118億ウォンが投入された。
開城工団が閉鎖されれば、観光事業も中断する可能性が高い。現代峨山(ヒョンデアサン)側によると、98年から07年末まで、金剛山観光の施設投資コストは3057億ウォン。
開城工団関連投資額のすべてを損失に分類することはできない。一部のインフラ投資は、統一に備えて、いずれ必要となる投資だからだ。
しかし、北朝鮮に投資した企業や協力企業の連鎖倒産、情勢不安と国家信用度の下落および外国資本の離脱などは、開城工団の閉鎖に伴う被害だ。
▲北朝鮮の被害〓昨年基準で、北朝鮮は、開城工団の労働者の賃金所得=3200万ドル、開城観光収入=1200万ドル、金剛山観光収入=1800万ドルなど、計約6200万ドル(約920億ウォン)を毎年放棄することになる。北朝鮮にとっては莫大な金額だ。
昨年の北朝鮮の対外輸出は、11億1160万ドル。輸出純収益を10%と推定しても、北朝鮮は対外貿易で1億ドルほどを得たにすぎない。そのうえ、北朝鮮の指導層にとって、経済協力および観光の対価は、直接自分たちの懐に入る所得源だ。
特に、3万7000人の工団雇用がなくなることは、開城住民には生計基盤の喪失を意味し、民心も悪化する。
▲長期的には北朝鮮が損〓数字で現われる短期被害は、韓国が大きい。しかし、北朝鮮の経済規模が韓国の36分の1にすぎないという点を考慮すると、北朝鮮にとって900億ウォンは想像以上の価値を持つ。結局、開城工団の閉鎖は、北朝鮮の痛恨の戦略的失策となる可能性がある。
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