玄仁沢(ヒョン・インテク)統一部長官の登場は、李明博(イ・ミョンバク)政権の対北朝鮮政策が、発足1年が過ぎ、ようやく本来の道に進んだことを意味する。前政権の金夏中(キム・ハジュン)前長官を起用した迂回期間が終わり、李政権の対北朝鮮政策を初めて実戦に適用することが可能になった。玄長官は、李政権の対北朝鮮政策の「非核開放3000」を立案した主役だ。一昨日、玄長官の初の内外信記者懇談会に関心が集中したのは、そのためだ。
◆玄長官は、北朝鮮の非核化の重要性を強調し、これまで憚れてきた北朝鮮の人権問題も真正面から取り上げるなど、前政権の統一部長官らとは、明確な違いを見せた。玄氏は、「北朝鮮の非核化は、全面的な南北関係の改善と北朝鮮が、国際社会の一員として参加するために必ず必要だ」と述べた。政府が一昨日、国連人権理事会で北朝鮮に人権改善措置を促したことについても、「人権状況に対する愛情が込められた批判を、人類普遍的な価値の立場で指摘したもの」と説明し、これに対する北朝鮮の反発を一蹴した。李大統領への誹謗もすかさず、中断することを要求した。
◆この1年間の政府の対北朝鮮政策は、守り一辺倒の対応から抜け出ていない。金鋼山(クムガンサン)観光客殺害と「開城(ケソン)工業団地揺さぶり」をはじめ、北朝鮮が起こした事件の収拾に精一杯だった。歪曲された南北関係を過去の政権のせいにする傾向も強かった。玄長官が、同日明らかにした対北朝鮮政策の原則と基準は、政権交替を実感させてくれるものだった。その一方で、玄長官は北朝鮮に対話を促した。李大統領が6・15共同宣言と10・4首脳宣言の合意も尊重すると明らかにしただけに、北朝鮮は早速対話に応じるべきだと、厳しく働きかけた。
◆望ましい選択だ。原則は守るが、北朝鮮と生産的で建設的な対話も行わねばならない。「非核開放3000」も結局は、対話を通して実現するしかない。もうボールは北朝鮮に回った。玄長官の提案に応じることで共存共栄するのか、それとも核兵器を抱えたまま自滅の道を歩むかの選択は、北朝鮮がするものだ。北朝鮮ももはや変わってきた環境を認めなければならない。ご機嫌取りをしながら、無条件援助した時代は過ぎ去った。三星(サムスン)経済研究所のトン・ヨンスン研究委員の言葉のように、「一方的な支援」でも「支援なし」でもない「適度な支援」の時代が開かれたとしたら、北朝鮮もそれに歩調を合わせなければならない。
方炯南(パン・ヒョンナム)論説委員 hnbhang@donga.com






