誰もが生活費が要るように、政治家と政党も政治活動をするには、お金が欠かせない。そのため、「政治資金は民主主義の費用」とも言う。しかし、全斗煥(チョン・ドゥファン)、盧泰愚(ノ・テウ)元大統領が集めた数千億ウォンのブラックマネーは、政治資金をうたった不正蓄財に過ぎなかった。企業は、選挙の度に主要政治家や政党の要求に、仕方なく巨額の政治資金を提供する。よく言う言葉で「保険に入る」わけなのだが、一歩間違えば、政経癒着のレッテルが貼られ、企業もつぶれる。
◆02年の大統領選挙当時、盧武鉉(ノ・ムヒョン)キャンプの選挙資金をめぐる疑惑はまだ解消されていない。03年、最高検察庁中央捜査部が全面捜査に乗り出すと、盧大統領は、「ハンナラ党が使ったお金の10分の1以上を使ったとしたら、大統領職から退く」と壮言した。あいにく、検察は中間捜査の発表で、ハンナラ党が823億ウォン、盧キャンプが113億ウォンを集めたと伝えた。10分の1に近い10分の1.4だった。これについて、当時、宋光洙(ソン・グァンス)検察庁長は、退任後、ある講演で「検察は10分の2〜3を探し出したら、大統領の側近らに『検察は怖いことがない』と言われた」と打ち明けて疑惑を膨らませた。
◆宋元庁長の言葉が合っているとしたら、盧キャンプの選挙資金は、200億ウォン以上ということになる。彼らの大統領選挙資金は、中間発表直前まで83億ウォンと集計されたが、10分の1に合わせたように見え、30億ウォンを後から足したという噂まで広がった。三星(サムスン)の800億ウォン台の無記名債券の行方も不明のままだ。検察はハンナラ党に324億ウォン、盧キャンプに21億ウォンが渡されたと発表したが、残りはどこへ行ったのか。盧前大統領は刑事責任も負わなかった。「トカゲのしっぽ切り」ではないかという疑問さえ起きる。
◆盧キャンプの政治資金の窓口とされている386出身の安熙正(アン・ヒジョン)民主党最高委員がまた、検察の捜査網に引っかかった。懲役1年、追徴金4億9000万ウォンを言い渡され、服役した安氏は、裁判所で「民主主義のためなら、政治資金をもらっても良いと思い込んでいた」と述べている。今回は盧政権の後援者だった姜錦遠(カン・クムウォン)チャンシン繊維会長から借名口座で、数億ウォンを受け取った疑いだ。彼らがどのような指鹿為馬(鹿をさして馬となす)で、検察を相手するか興味深い。
陸貞洙(ユク・ジョンス)論説委員 sooya@donga.com






