
「逆転、そしてまた逆転」
30秒のテレビコマーシャルが300万ドル(約41億6700万ウォン)まで跳ね上がったとしても、全然もったいないと感じさせない試合だった。第43回スーパーボールは、史上最高の名勝負と呼ばれてもおかしくなかった。
3クォーターまで20—7でリードしていたピッツバーグは、4クォーターに入り、アリゾナのラリー・フィッツジェラルドに連続タッチダウンを決められ、20—23に逆転された。
しかし、ピッツバーグは諦めなかった。4クォーター終了の49秒前。ピッツバーグ最後の反撃が始まった。タッチダウンするための残りの距離は10ヤード。4回の攻撃チャンスで10ヤード前進できなければ、攻撃側が相手に代わる状況。
ピッツバーグのQBのベン・ロスリスバーガーは、WRのサントニオ・ホームズの方へ短く速いパスを試みた。しかし、ボールはホームズの手に当たり、フィールドの外へ落ちた。
2回目の攻撃。ロスリスバーガーは再びホームズを見た。そして、ためらわずに投げたボールはアリゾナのエンドゾーンの中へ飛び込んだ。銃弾のように飛んだボールは、アリゾナの守備をさっと越え、相手のエンドゾーンの外へ出るようだった。
その時、ホームズは足先をグラウンドに付けたまま、ボールを取った。そして、ボールを胸に抱き倒れた。ホームズはフィールドの外へ倒れながらも、足先をエンドゾーンにつけ、千金のような6点逆転タッチダウンを成功させた。この時、試合終了35秒前。
ピッツバーグは続いて、フィールドゴールまで決め、27—23とリードを広げ、勝負を決定付けた。
創立62年ぶりの初優勝に挑んだアリゾナは、残り35秒間、全力を尽くし攻撃に乗り出したが、勝負を覆すには力不足だった。
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