「大変なことですか。一つもないです。とても楽しいです」
ベテラン選手に比べては腕前はまだまだのように見えた。演技もややぎこちなかった。しかし、第2の金妍兒(キム・ヨンア、19=軍浦スリ高)を夢見る「金妍兒キッズ」の熱情は凄かった。
9日、京畿道高陽市(キョンギド・コヤンシ)のオウリム・ヌリ・アイスリンクで行われた全国男女フィギュアスケート選手権大会初日の風景だ。同日、フィギュアの有望株らはショートプログラムで熱い演技を披露した。
●「妍兒さんは私のヒロイン」
同日、女子選手らはまるで口を合わせたかのように、同じ返事をした。「全然苦しくない。フィギュアが楽しい」と「先月、グランプリファイナルの時、妍兒さんの競技を直接見た」という言葉だった。
似たい人を聞いたら、みんなが「金妍兒」と答えた。それだけ、金妍兒が与えた影響は大きかった。
スイス人の父親と韓国人の母親の間で生まれたクラウディア・ミューラー(12=クァンサン小)。昨年、オンセテレコムが作った韓国初のフィギュアスケートクラブ「ペアリス」のメンバーでもある彼女は、代表的な「金妍兒キッズ」だ。ミューラーちゃんは、「一生懸命に努力して、必ず妍兒さんのような選手になりたい」と話した。
金妍兒から直接指導を受けた選手もいた。昨年、有望株大会と国内ランキング戦で1位をした朴ソヨン(12=全南羅州小)は、「金妍兒有望株クリニック」に選ばれた。「妍兒さんと一緒にフィギュアをしながら、技術と姿勢を見て学んだ。大きな助けになった」と話す。
昨年、ジュニアグランプリ13位に付けたクァク・ミンジョン(15、京畿安養ピョンチョン中)も金妍兒と共に「アイスショー」に出場してたくさんのことを感じたという。クァク・ミンジョンは2月、チェコで行われるジュニアワールド代表に出場した後、シニア舞台に進出する計画だ。
●「選手らの技量、ぐんぐん伸びている」
男子次世代スターの李ドンウォン(13=京畿果川小)を教えているシン・ヘスク・コーチは、「昨年に比べてジュニア以下の選手らの技量が目立って良くなった」と話した。
金ナヨン(19=仁川ヨンス高)の母親のシン・グムスクさんは、「幼い選手らの技量が目立つほど伸びて、かえってシニア選手らが緊張している」と話した。
「ポスト金妍兒」を狙い、世界舞台に足を踏み出した選手も登場し始めた。昨年、世界選手権大会に出場した金ナヨンをはじめ、最年少国家代表のユン・イェジ(15=果川中)がいる。ユン・イェジは昨年、トリグラフトロフィ大会の幼少年部門で優勝した期待株だ。李ヒョンジ(15=京畿高揚デファ中)とソ・チェヨン(13=カドン小)も次世代スターに挙げられる。
同日、競技場は選手らの熱気に包まれた反面、観衆席はガラガラで120人ぐらいだけが観ていた。競技場の外には大会を知らせる垂れ幕さえ見当たらなかった。フィギュアの有望株らはぐんぐん成長しているのに、大会主催側の消極的な広報は気になるところだった。
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