米ワシントン教育監のミッシェル・リー氏(38) は、教員労組に対抗して公教育を改革中だ。財政支援は1位であるにもかかわらず、学業成就度は最下位だったワシントンの教育を引き受け、23の学校を閉校し、奨学監約100人を解雇し、不適格な校長、教頭、教師への警告および解雇という強硬策で、就任1年で学業成就度を8〜11%引き上げた。教員労組が連日デモを行ない、出勤途中に物を投げつけられたが、動じなかった。韓国系の彼女は、「(韓国でも)教員団体の力が、大きすぎてはいけない。職業の安全性が高くなれば、怠惰になりやすい」と指摘した。
◆ニューズウィークが「注目する人物100人」に選ぶほど有名になった彼女を、ビル・アンド・メリンダ・ゲイツ財団も支援している。数日前には、ニュースメーカーなら誰でも一度は立ちたいと思うナショナル・プレスクラブの演説台に立った。彼女の持論は、「教師が変わってこそ、学生が変わる」ということだ。彼女は、教師に対して、年功序列の給与制度に安住するのか、定年保障をあきらめる代わりに、年俸13万1000ドルを受け取れる成果給を選択するのかを問う。教師の競争が教育の競争力を高め、最大恩恵者は学業意欲が高い低所得層の子供たちと考えているからだ。
◆韓国の教育部が、01年から施行中の「教員成果給制」も同様の趣旨だが、差等幅が小さい。成果給の90%は一律、10%に対してのみ3等級に分けて支給していたが、昨年20%に増やした。それでも、最上等級と最下等級の差は30万ウォン程度だ。今年は30%まで拡大される。全国教職員労働組合(全教組)は、これまで差等成果給を闘争基金として集めるよう返還闘争を行なった。今年は、同等に分配することを要求して「均等分配闘争」をするという。
◆元米フォーブス誌記者のピーター・ブリメロは、著書『りんごの中の虫(The Warm in the Apple、03)」で、教員労組が米国公教育を駄目にしたと指摘した。「優秀教師の採用や能力給制度には反対し、給料には関心が高い。主な業務は、組合員たちに交渉戦略を教えることだ。最も嫌なことは、学生の学校選択が多様になることだ」。著者は、米国の公立学校を傷んだりんごに、教員労組をりんごの中の虫に喩えた。韓国の公教育と全教組をその比喩に当てはまるようだ。
許文明(ホ・ムンミョン)論説委員 angelhuh@donga.com






