
巨人の李承鎏(イ・スンヨプ、32)。今季中盤まで左手親指の手術の後遺症と打撃不振に苦しんでいた彼が、シーズン終盤、真のヒーローの姿を披露している。
日本のスポーツ紙は22日、一斉に李承鎏を1面の主要記事として報道した。「奇跡の10連勝をけん引した韓流砲(スポーツニッポン)」「伝説のホームランを放つ(スポーツ報知)」「阪神の命を取る決定的な一本(産経スポーツ)」など褒め言葉が踊る。李承鎏が21日、阪神との試合で、135メートルの大型3点ホームランを放ち、チームをセ・リーグ1位タイに押し上げたお陰だ。
李承鎏の大詰めでの変身の秘訣は、何なのだろうか。彼は、「打撃フォームは変わっていない。打撃バランスと自信を取り戻しただけ」とコメントした。
李承鎏は16日、横浜との試合で3打席、連続ホームランを放った後、「北京五輪の記憶は忘れた」と話した。もうチームの日本シリーズ優勝に向けて、全力を尽くすという意味だった。
李承鎏にとって、五輪で打ったホームランはいい薬だった。忘れていた打撃感覚を取り戻した。そして、日本舞台で復活した。最近のホームラン7本のうち、6本が相手投手の1、2球を打ち返したものだった。
李承鎏は、「元々相手投手の初球を好むのだが、打撃の感覚が落ちてから球を待っているうちに、三振を食らう場合が多かった」と打ち明けた。五輪後、自信を持って初球からバッターを振るったのが、最近の良い結果につながったという。
李承鎏は今季、試合に出るたびに欠かさず左手の親指にゴムのリングをはめていた。昨年10月に受けた左手親指の手術の後遺症のため、打撃をするたびに痛みを感じた。ゴムのリングは、その苦痛を和らげてくれる役割をした。しかし、一方でスイング感覚を鈍らせる原因でもあった。
李承鎏は最近、ゴムのリングの代わりに、スポンジの保護帯に替えた。左手親指の痛みが消えたおかげだ。彼は、「スポンジはバットを握る時、ゴムのリングに比べて楽に感じられる」と話した。李承鎏は、今季920グラムのバットを使った。16日、横浜戦でも1回2死1塁で、1塁手前の浮いたボールで退く時もそうだった。
しかし、3回2死1、2塁の場面で、910グラムのバッターを持って打席に立った。10グラム軽いバッターが、李承鎏は手に合うと感じたからだ。効果はすぐ現れた。李承鎏は横浜の左腕先発投手の那須野巧の初球を打ち返して、3点ホームランを放ち、4回と6回にもホームランを打ち上げた。
李承鎏は、「ちょっとした違いだが、スイングのスピードが、もっと速くて正確になった」とコメントした。
beetlez@donga.com






