Go to contents

[社説]修学能力試験の結果資料、父兄にも公開すべきだ

[社説]修学能力試験の結果資料、父兄にも公開すべきだ

Posted September. 19, 2008 08:14,   

安秉萬(アン・ビョンマン)教育科学技術部(教科部)長官が、これまで外部に公開しなかった修学能力試験(日本のセンター試験にあたる)の元データ資料を国会教育科学技術委員会(教科委)所属の議員たちに提出すると明らかにした。17日に開かれた国会教科委に出席した安長官は、与党ハンナラ党の趙全赫(チョ・ジョンヒョク)議員が、修学能力試験の元データ資料を求めたため、要求を受け入れる意思を明らかにし、「政策資料としてのみ活用してほしい」という条件をつけた。修学能力試験の原本資料の公開要求に一切応じてこなかった教科部が一歩譲って、「政策樹立」か「研究用」に限定して公開を許可したことは、一歩前進した姿勢と評価される。

毎年、修学能力試験が実施されると、全国の受験生の成績資料は、韓国教育課程評価院のコンピューターにそのまま保存される。この元データ資料を分析すれば、全国の高校の学歴格差の実状を把握できる。ある高校の平均点がいくらなのか、同じ市・道の中でどの地域が平均点が高く、どの地域が低いのかが分かる。

教科部は、元データを提出すると学校に対し序列化が行われ、過熱競争を煽る恐れがあるため公開できないと引かなかった。現実に存在している学歴格差を無条件に覆い隠す態度は、父兄と学生を欺くことだ。教科部は、趙議員らが修学能力試験の元データ資料の公開を請求した訴訟で、1、2審裁判で敗訴しており、大法院(日本の最高裁判所にあたる)での敗訴もほぼ確実な情勢であり、これ以上踏ん張ることは難しい。

修学能力試験の元データ資料を分析することで、これまで公開されなかった高校別、地域別の成績が明らかになり、成績が劣る高校と市・道は、教育の質を高めるために努力するほかない。教師も、学生の成績に対して責任感をさらに持つだろう。このような点で、資料の公開は、学生や父兄のような教育需要者には得となる政策だ。

特に、平準化地域のソウル市は、高校選択制の導入を控えている。高校選択制を合理的に運営するためには、正確で具体的な学校情報が必須であり、学校別修学能力試験の平均点は、核心的な情報だ。

平準化30年の弊害を覆い隠そうとしていては、未来の世代に競争力のある教育をすることは難しい。教科部は、深刻な学歴格差の実状をあるがままに公開し、脆弱地域に対する行政的、財政的支援を通じて、解決の糸口を見出していかなければならない。修学能力試験の元データ資料を国会議員にだけ渡すのではなく、父兄にも当然、知る権利がある。教育当局が情報を独占した時代は、過ぎ去ったのだ。