米ロサンゼルス近郊のクレアモントは、「木と博士の都市」と呼ばれる。その理由は、都市全体が美しい木々に囲まれている上、住民の1万人以上が修士または博士号を持っているからだ。修士と博士の供給先はここにあるクレアモント大学だ。同大学は米国唯一のコンソーシアム大学で、ポモナ、マッケナ、ハービーマッド、ビッツァーと女子大学のスクリップスといった5校のリベラル・アーツ・カレッジ、そしてクレアモントとケックの2大学院が同じキャンパスを使っている。
◆「西部のイェール」と呼ばれるポモナや工科大学名門のハービーマッドをはじめ、小規模なカレッジがコンソーシアムを形成できたのは、「授業開放」のおかげだ。7校のカレッジが近接しているので、学生らは他の大学でいくらでも取りたい授業に出ることができる。例えば、ハービーマッドは理工系大学だが、学生らは単位の3分の1を他の大学で取る。学生らは多様な授業を選択でき、大学は教授採用の費用を節約することができる。
◆韓国にもこれと似たような制度で単位交流協定がある。協定を締結した大学同士で、相手の学校で取った授業を単位として認める制度だ。問題は、韓国の大学と外国の大学との単位交流は語学能力や留学経験の習得という意味で人気があるが、韓国の大学同士での単位交流は、学校間の序列意識や自尊心のため有名無実だということ。梨花(イファ)女子大学が淑明(スクミョン)女子大学と単位交流協定を結んだ時、梨花女子大生らが総長に抗議の電子メールを送ったというエピソードは有名だ。高麗(コリョ)大も22の大学と単位交流協定を結んだものの、これまで1回だけでも交流があった大学はわずか15校に過ぎない。
◆高麗大が韓国の大学として初めて授業を開放するという。来年の1学期から学部受講の定員の5%に当たる約8000人の他大学の学生に、どの科目の授業も取れるようにするという。受講を望む他大学の学生は、高麗大生と同じく受講申請をすればいい。季節学期(長期休み中の補講授業)ではなく、通常学期中の場合には授業料も受け取らないという。高麗大のこのような決定は、自分たちの教育力量に対する自信と自負心の現れであろう。「知識のノブレス・オブリージュ」と言えるほどの高麗大の授業開放実験がどのような実を結ぶか注目される。
鄭星姫(チョン・ソンヒ)論説委員 shchung@donga.com






