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頭の中で求めるな。ネットワークに答えがある

頭の中で求めるな。ネットワークに答えがある

Posted June. 28, 2008 08:34,   


「知能は外部にある。人間の考えは頭の中では生じない」

この本の挑発的な主張だ。著者はまず、テクノロジーを例として取り上げる。自動車が最初に登場した時は、点火の時期や空気の量を調整するバルブ、ブレーキーの圧力まで一つ一つ手で調整しなければならなかった。現在よりさらに複雑な飛行機の操縦も、コンピューターの統制メカニズムが人間の頭脳の多くの思考の過程に取って代わっている。頭脳の外へと思考が広がっているわけだ。

著者はテクノロジーとはネットワークで構成されたアイデア空間の一つだと説明する。そして、創造性の源は頭脳ではなく、頭脳の外のアイデア空間にあると語る。首を傾げたくなる主張だ。ネットワークの科学を知らなければならない。

リンクとは関係だ。この関係でつながっている数多い個体がノード(node、データの通信網の分岐点や端末の接続点を意味する用語)だ。人的ネットワークでは人間がノードだ。一際多いリンクでつながっているノードをハブと呼ぶ。我々が住む世界をノードのハブリンクで説明するのがネットワーク科学だ。

ネットワークのアイデア空間は長い間の知的な成果でなされる学問の世界でもありうるし、数多い作品の芸術界でもありうる。科学や制度、神話、ビジネスモデル、文化などが絡み合っている世界だ。創造性に霊感を与えるアイデアは、リンクを通じてノードとハブを飛び回る。この世界が「スマートワールド」だ。

著者はこのようなネットワークを考えず、ひたすら天才的な頭脳だけで創造的なアイデアを浮かべるのは不可能だと主張する。逆に、ネットワーク空間でノードとハブを行き来しながら、相互作用するさまざまなアイデアを想像力や洞察、直感で把握する能力が必要だという。

天才画家「ピカソ」を例に挙げてみよう。フランスのトロガデル博物館。「2流作品」だという理由で、ルーブル博物館には展示されなかったアフリカ・南太平洋の楽器や仮面が不規則に展示されたところ。ここに若いピカソは足を踏み入れ、ふと悟った。「その日、『アビニョンの乙女たち』が私を訪れた」。

ピカソはアフリカ美術から対象の本質的な特性を抽象的に表現する、非構想主義の洞察力を手にした。これで、人間の姿を事実に基づいて追求すべきだという西洋美術の強迫観念から抜け出し、世紀の傑作を誕生させた。

著者はピカソの天才性はひたすら頭脳の中から発現されたわけではなく、博物館のアフリカ美術というネットワークのアイデア空間を直感的な受け入れたおかげだと語る。

著者はさまざまな事例を通じて、9つのネットワークのアイデア空間法則を紹介する。これはすなわち、アイデア空間を最も効果的に活用し、創造性の跳躍に達せられる法則でもある。

ティーピングポイントの法則。ティーピングポイントとは量の増加がある瞬間、質的な変化へと急激に変わることだ。適切なアイデアを多く見つけ出すほど、ある瞬間、このようなさまざまなアイデアが相互作用によって創造性へと転換される。

敵益富の法則。創造的な考え方にふさわしい適したアイデアが引き続き集まり、相互に働いてこそ相乗効果が生じるということ。こうなれば、各アイデアは自然とつながり、関係を結ぶ(自然発生の法則)。

数多い関係が生まれるほど、成功できる創造性の道を見つけるのは難しい。アイデアの創造性は時代の精神とかみ合う時こそ、光を発する(道探しの法則)。

1950年代半ば、ルス・ハンドラーがマーテル社を通じて発売したバビー人形がその代表的な事例だ。バビー人形は赤ちゃん人形の固定観念から脱し、成人女性への少女たちの憧れや想像力を刺激した。バビー人形の成功は働く女性、自信を持っている女性が浮き彫りになった時代精神を反映したためだ。

創造的なアイデアと密接な関連を結ぶさまざまな条件がかみ合わなければならない(狭い世間のネットワーク法則)。東洋で先に印刷術が発明されたものの、後代のグーテンベルクの印刷術が成功を収めたのは市場や資本の活用、鋳型技術など、さまざまな条件がかみ合ったためだというわけだ。多様なアイデアを適切に統合しなければならないという統合の法則なども紹介している。

著者は米国の言語学者であり、ビジネスコンサルタント。原題は『Smart World』(2007)



zeitung@donga.com