
「オランダ、韓国、豪州、そしてロシア」。彼が舵を取ると、そのチームは強くなる。ユーロ(欧州サッカー選手権大会)2008で決して強いチームとは言えなかったロシアが4強入りを果たすという「マジック」を披露したフース・ヒディンク監督(62、写真)。彼には代表チームを運営する上で一貫した原則がある。そのため、韓国のサッカーファンには2002年の韓日ワールドカップ4強神話の記憶を想起させる。
●心理学の達人
ヒディンク監督は、06年7月、ロシア代表チームの監督に就任した後、トレーニング時間に良く遅刻したセルゲーイ・イグナシェヴィチに「遅刻生は要らない」と、帰宅させた。そして、ずば抜けた腕にも関わらずもろい精神力を見せたアレクサンダー・ケルジャコフを代表チームから除外し、ドミトリ・トルビンスキーらのルーキーを大勢抜擢した。
ヒディンク監督は選手たちを引きつける能力に長けている。韓日W杯を控えて、「世界を驚かせてやる」と言い、16強に勝ち進んだ後、「僕はまだまだ腹が減っている」と話したように、巧みな話術で選手らを魅了した。今回も常に、「僕は僕の選手たちを誇らしく思っている」と強調した。「ロシアがオランダに勝つことが反逆だとしたら、僕は祖国の反逆者になる」と言って、大きな反響を呼んだ。
FWのイヴァン・サエンコは、「ヒディンク監督はいつも『我々はどのチームも下すことができる』と強調する」と伝えた。「ロシアの朴智星(パク・ジソン)」に浮上したアンドレイ・アルシャビンは、「ヒディンク監督は信頼してついて行きたい人だ。今大会の最高の勝者は監督だ」と語った。
●サッカーは強い体力が基本
01年韓国代表チームの監督になったヒディンク氏は、当時、技術委員長だった李用秀(イ・ヨンス)世宗(セジョン)大学教授に、「韓国のサッカー代表チームの問題は体力だ」と述べた。韓国の長所が体力と精神力だと思い込んでいた李教授は、「とんでもない」と言い返したが、ヒディンク監督が見せたビデオ映像は、試合開始10分も経たないうちに体力が急激に下がった韓国選手らの姿だった。それで、体力増進に尽力し、4強神話を成し遂げた。
ヒディンク監督はサッカーの基本を体力と見ている。今回もユーロ2008の開幕を控え、5月末からドイツにトレーニングキャンプを設け、選手らに体力トレーニングをさせた。国内に「パワートレーニング」として知られるトレーニングを適用したのだ。1日2回ずつ厳しいトレーニングを行いつつ、「3日は厳しく、3日は軽く」実施する周期化トレーニングで選手らのコンディションをベストの状態に引き上げた。22日、オランダとの延長戦を含めて120分間におよぶ死闘を繰り広げながらも、選手たちが疲れを知らない体力を見せつけた背景がここにある。
●サッカー博士
グループ別予選の初試合でスペインに1—4で大敗した後、ヒディンク監督はロマン・シローコフとドミートリー・シチェフを外して、イグナシェヴィチとトルビンスキーをギリシャ戦に投入した。また、スウェーデン戦の時は退場で欠場したアルシャビンを後方のストライカーに起用して、中央を強化する戦術の変化を試みた。結果は2連勝。
ヒディンク監督は相手別の戦術の対処能力が優れている。基本的な体力から戦術まで、選手らにどのようなトレーニングをさせればいいのかを熟知している。ロシアでは、「ヒディンクが言うことは何でも聞く」という言葉が生まれた。ヒディンク監督の言う通りにやって失敗したことがないからだ。ロシアはヒディンク監督に市民権を与えることを提案した。ロシアは27日、「無敵艦隊」スペインと対戦する。
yjongk@donga.com






