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英国で「兄弟治療向け赤ちゃん」出産が合法化 議論高まる

英国で「兄弟治療向け赤ちゃん」出産が合法化 議論高まる

Posted May. 22, 2008 09:05,   

動物の卵子に人間遺伝子(DNA)を入れ込む交合胚芽を容認した英国議会が、「治療向けオーダーメード赤ちゃん」の出産までを合法化し、生命倫理をめぐる議論が熱くなっている。

英国下院は保守系議員たちが提出したいわゆる「救世主兄弟(saviour siblings)」禁止法案の採決で、反対342、賛成163で否決したとBBC放送をはじめとする英国マスコミが20日付で報じた。

法案を主導した保守党のデービット・ボロス議員は、「他人のため計画的に子供をつくってはいけない」と批判したが、労動党のデス・ターナー議員は、「生命を生かす方法が存在するなら、その方法を使わなければならない」と議会決議を支持した。

次男が極めて稀な疾病である嚢胞性纎維症を患っているゴードン・ブラウン英国首相は、先日、「オブザーバー」など英国新聞に、救世主兄弟の出産と交雑胚芽の容認を促すコラムを寄稿するなど禁止法案否決の意思を表明した。

治療向けオーダーメード赤ちゃんは、難病を患っている兄弟姉妹を治療するため、患者の子供と組職が一致する胚芽を選別して、生まれた赤ちゃんを意味する。他の兄弟姉妹を救うために生まれるという意味から「救世主赤ちゃん」とも呼ばれている。

組職検査を経て、遺伝的に元気だと確認された受精卵だけが子宮に着床され、出産後、赤ちゃんの胎盤、骨髓などを疾病に苦しむ兄弟に移植する。このように生まれた赤ちゃんは、治療向け組職を提供するものの、健康や生命に支障がきたされてはいけない。

反対派は、受精卵の組職が、病に苦しむ兄弟姉妹と一致しなければ廃棄されるという点をあげ、これを、「スペア赤ちゃん(Spare Baby)」、「デザイナー赤ちゃん(Designer Baby)」などと呼び、禁止を主張してきた。



esprit@donga.com