学業成就度によってクラスを分けて授業を行う学力水準別学習が、生徒の学力向上に効果的だという、日本文部科学省の報告書が出た。昨年4月に実施された全国小中学校の学力テストの結果をもとに、数学の学力水準別学習を実施したところ、対象生徒の実力が大きくアップしたというもの。学業成就度が高かったグループも、低かったグループも、いずれも学力水準別学習は効果があったという。一方、学力水準別学習を行わなかった学校には変化がなかった。
◆学力水準別授業が不可能だというのは、平準化教育の弊害の一つである。学校間、生徒間の競争の激化を防ぐとして、現実に存在している能力の差を考慮に入れず、全ての生徒を同じ教室で一律的に教えるわけだ。だから、先へ進んでいる生徒は全部知っている内容のために授業も時間の無駄になり、追い付けない生徒は呆然としたまま、時間を無駄遣いしている。教える教師もどちらの水準に合わせたら良いのか迷わざるを得ないので、苦痛にならざるを得ない。
◆現在、韓国では中学1年生から高校1年生の英語と数学に限って、水準別で3つのクラス以上が組めるようになっている。教育科学技術部が14日、学力水準別移動授業の制限措置を廃止し、市道教育庁と学校の自律に任せると発表すると、成績によってクラスを分ける優劣組の制度を実施すると思い込むところもあり、一部で批判の声が上がった。中高年層の中では、優劣組の体験者が少なくない。全校1位からビリまで成績が学校の正門に貼り付けられ、席も成績の順で配置された時代のトラウマを思い浮かべる人もいるはずだ。
◆結論から言って、学力水準別学習は優劣組とは違う。学力水準別授業は、優劣組とは違って、科目別に施行される「オーダーメード型授業」だ。日本のケースから分かるように、勉強のできる生徒とできない生徒どちらにも有益な「ウィン—ウィン」教育だ。国語ができるからと言って、必ずしも数学もできるとは限らない。生徒らが科目別に同じような実力を持ったグループの中でお互い競争しながら、能力に見合った授業を受ければ、全体的な学習能力もおおよそ向上するであろう。「ソウル大(進学を目指す)クラス」「延(延世)・高(高麗)大クラス」のような優劣組の悪夢に悩まされた人々は、今の教育現場がその時とはずいぶん違うという事実を認識すべきである。総体的に未来世代の学力を高める方式に「待った」をかけるようなことがあってはならない。
鄭星姫(チョン・ソンヒ)論説委員 shchung@donga.com






