インドは天国と地獄、前世と現世、世界最高の富豪と無所有の随行者が共存する大陸だ。米経済専門誌のフォーブスが選定した世界富豪ランキング「トップ10」に、インドの富豪が4人も含まれた。インドは、ここ20年間経済成長を続け、購買力ベースで世界第3位の経済大国になったが、富の分配が偏っている。人口の27.5%が国の定めた貧困基準である一日40セント以下の所得で暮らしている。物乞いをする乞食たちが、観光地のあちこちでよく見かけられる。
◆このような国での富豪らの贅沢振りには想像を絶するものがある。世界第5位の富豪となったインドのリライアンス・インダストリーズ財閥のムケーシュ・アンバーニー会長は、妻の44歳の誕生日プレゼントとして566億ウォンの自家用飛行機を買った。アンバーニー会長の特注で製作された同飛行機には、最先端事務室、寝室、シャワーブース、バーが設置されている。アンバーニー会長は、ムンバイ郊外に27階建ての超豪華邸宅を建てている。3人家族が居住する同住宅は、管理関係者のみで600人になり、駐車場は車両168台が収容できる。
◆世界一の鉄鋼会社であるミタル・スチールのラクシュミタル会長は、財産450億ドルでフォーブスの世界富豪番付の第4位となった。英国のロンドンに居住するミタル会長は、04年に1億2800万ドル(約1216億ウォン)を払い、住宅を購入した。今までは世界で一番高い住宅だったが、アンバーニー会長の住宅が完工すれば、1位の座を明け渡すことになる。インド出身の富豪が多いのは、英国の殖民統治を受け、早くから資本主義を経験した影響が大きい。アジアで最も早い1875年に誕生したムンバイ証券取引所は、インドの資本蓄積に一役買った。
◆富益富、貧益貧(富む者はさらに富み、貧しい者はさらに貧しくなるという意味)の現実でも、国民の間で金持ちを憎悪するきらいはない。人を四階級に分けて差別するカースト制度は法で禁じられているものの、現実の中では働いている。ヒンドゥー教の「業」と「輪廻」思想によると、現在の生活は前世で予定されたものだ。極貧の賤民(アウト・カースト)も次世では最上位のブラーマン階級の富豪に輪廻転生できると信じているため、金持ちを嫉視する気持ちにならないのだろうか。
黄鎬澤(ファン・ホテク)首席論説委員 hthwang@donga.com






