「『私は保守主義者だ』という一言でみんなが分かり合えたあの時代がなつかしいです。レーガン政権時代にはみんなが一つの旗印の下に集まっていました」
米レーガン政権時代に政府の国家安全保障政策諮問だったジョージタウン大学のある教授が、14日、記者に漏らした話だ。ジョーン・マケイン上院議員が共和党の大統領選挙候補指名を受けたが、主な共和党支持者らが釈然としない表情を消せずにいる現状について説明している途中に愚痴をこぼしたのだ。
同氏は「今はほとんどが途中で撤退しましたが、先月初めまで指名争いをしていた共和党候補らの顔ぶれから米国の保守主義の現実が読み取れる」と説明した。
●「真の保守主義者は私だけ」
米国の保守主義は、自由貿易、軍事力をバックにした強力な安全保障、小さな政府、伝統的な価値観の尊重などの中核的な要素が有機的に結合している。
しかし最近、米国の保守派はいくつかの分派に分かれてしまった。昨秋、大統領選挙に向けた党内予備選挙が本格化すると、同性愛結婚を認めず、人工中絶に反対する「社会的保守派」は、マイク・ハッカビー前アーカンソー州知事やフレッド・トンプソン前上院議員らのもとに集まった。
強力な安全保障と愛国主義、イラク戦争などの支持者たちはマケイン議員を支持し、テロとの戦争、国土安保などを重視する者たちは、ジュリアーニ元ニューヨーク市長を積極的に推した。
それに、減税と小さな政府を重視する「経済的保守派」はロムニー前マサチューセッツ州知事を支持した。
党内予備選挙で候補が確定するまでは各候補が掲げる政策で票が分かれるが、候補がいったん決まれば、それからは「党」を支持するのはいつもの風景である。しかし共和党の支持者たちの様子はちょっと違う。
彼らは相手陣営を「真の保守主義者」と認めようとしない。特に社会的保守派はマケイン議員やジュリアーニ元市長らを「民主党員よりも乱れた価値観の異端児」と思っているようだ。
共和党の元老であるギングリッチ元下院議員は、最近発刊した著書で「共和党はここ30年間、驚くほどすばらしい団結の時代を送ったが、今はまったく新しい局面に突入している。共和党の次期指導者を名乗る者たちはそれぞれレーガン元大統領の政策を継承していると自認するが、実際にはみんなレーガンの影にすがり付いているだけだ」と指摘する。
ロムニー前州知事は14日、マケイン氏への支持宣言の際、「私には私の見解があり、マケイン氏にもマケイン氏の意見があるが、私たちは同じ政党の者として一つになった」とし、党の一致団結を訴えた。
これでマケイン議員は、ジュリアーニ元市長、トンプソン前議員につづき、ロムニー前州知事の支持も獲得した。
しかし、共和党のある幹部は「ブッシュ大統領がマケイン氏への支持を明らかにしたにもかかわらず、主な保守層の間では違法移民、減税、政治資金などの多くの政策で非共和党的な姿勢を見せていたマケイン氏が大統領になれば、保守主義の価値が揺らぎかねないという懸念が根強く残っている」と話した。
同幹部は、「共和党支持者らがマケイン氏への警戒を緩めないのは、父ブッシュ政権の記憶がまだ新しいため」と説明した。ジョージ・H・Wブッシュ元大統領は、就任直後には税率据え置きを約束したが、この約束を覆した上、進歩派を最高裁の裁判官に任命し、保守派に大きなショックを与えた。
このような保守票の分裂は時代の変化に伴う避けられない流れであるという分析もある。
●韓国でもみられる保守票の分裂
ジョージワシントン大学の朴ユンシク教授は、「移民人口が増加し、人工中絶や同性愛といった様々な新たな問題が社会的な争点として浮上しており、共和党員の間でも問題別、争点別に意見が分化している。従来の『保守主義』という一つの旗印だけではすべての意見をカバーできなくなった」と分析した。
朴教授はさらに「政治、経済問題では伝統的な保守派でありながら、社会的な価値では中道派である人が増えているなど、意見が多様化している状況の中で中道派まで抱え込むしかないのが共和党の現実」と述べた。
米国で社会的問題を中心に進んできたこのような保守票の分裂は、韓国では昨年末の大統領選挙の際、李明博(イ・ミョンバク)候補の対北政策が「甘い」といって強硬な保守派が李会昌(イ・フェチャン)候補支持に転じたのと同様の現象と解釈される。
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