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[オピニオン]民族浄化

Posted February. 02, 2008 08:35,   

汚れた服や布などを洗う「洗浄」という単語の前に金がつけば「資金洗浄」(Money Laundering)という知能型犯罪になる。汚れを落としてきれいにする「浄化」も、前に民族がつけば民族浄化(Ethnic Cleansing)という大量殺戮(さつりく)に変わる。戦闘要員になりうる男性は殺害し、女性は暴行する民族浄化を見れば、人間はもともと邪悪な存在で、本性の深い所に「悪」が宿っているのではないかとすら思えてくる。

◆組織的に特定民族を抹殺する民族浄化は、ナチス・ドイツによる600万人のユダヤ人虐殺が代表的だ。ナチスの亡霊は消えたが、民族浄化は21世紀にも依然として生きている。最近、アフリカのケニアで民族浄化が行われ、犠牲者が続出した。昨年12月の大統領選挙後に発生した流血事態が悪化したものだ。現大統領が属するキクユ族と野党指導者のルオ族との間に攻撃と復讐が相次ぎ、約1000人が殺害され、30万人が避難キャンプを求めて家を離れた。

◆ケニアの隣国、スーダンの民族浄化はさらに残酷だ。ダルフール地域に住むキリスト教アフリカ系住民が独立を要求すると、「ジャンジャウィード」と呼ばれる新政府に支援されたアラブ系民兵が03年から民族浄化を行い、これまで20万人以上が犠牲になった。集団虐殺を逃れて故郷を離れた難民は250万人を上回る。ケニアから遠くないルワンダでも、94年にフツ族とツチ族の殺戮争いで、100万人以上が虐殺された。

◆にもかかわらず、国際社会は無気力だ。国連主導で、民族浄化を含む「人道に対する罪(Crime against Humanity)」に対しては時効の適用を排除する協約を締結し、犯罪者を最後まで追跡して処罰するよう取り決めたが、虐殺劇を防げていない。ケニアの惨状を見かねて、アフリカの53カ国首脳が緊急対策会議を開いた。潘基文(パン・ギムン)国連事務総長も出席した。民族浄化を終息させる解決策が期待される。人間の本性はもともと善良だという信頼が、間違っていなかったことを確認したい。

方炯南(パン・ヒョンナム)論説委員 hnbhang@donga.com