国際原油価格が一時米国のウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)ベースで1バレル=100ドルの大台を突破するや、航空、海運物流、繊維など原油価格に敏感な業種を中心に韓国産業界に赤信号がともった。
とくに「原油価格100ドル」は、これまで心理的なマジノ線とされてきたため、企業は一層神経を尖らせている様子だ。ただ、多くの企業はすでに原油高時代に備えた非常経営体制に突入しており、ある程度の覚悟はできている状態だ。
●繊維・化学業界にも影響
航空業界は、国際原油価格が1バレルあたり1ドル値上がりすると、年間営業利益が大韓(テハン)航空は300億ウォン、アシアナ航空は144億ウォンが減少するとみている。
航空会社は昨年から「緊縮経営」を行っているが、原油高が予想より速いスピードで進んでいることから更なる対策作りに追われている。航空会社は原油高に歯止めがかからないと、収益が出ない路線の運行を縮小したり廃止する方策も視野に入れている。
大韓航空は、「今年航空油の需要量は13億3000万ガロン(約3200万バレル)と推定される。全社的に油類節約に取り組む計画だ」と明らかにした。
原油価格が原価の20%以上を占める海運物流業界は、原油高の影響をもろに受けかねないと憂慮している。
大韓通運(テハントンウン)は「車両の修理費やタイヤ費用など、できるだけその他の経費を切り詰めている」と伝えた。韓進(ハンジン)海運は、「バンカー油価格がトンあたり1ドル値上がりすれば280万ドル(約26億3200万ウォン)の追加費用が発生する。原油価格が相対的に安い国から原油を調達するなど、工夫を凝らしている」と説明した。
原油を原材料として使う繊維と石油化学業界は、固唾を呑んで高騰する原油高の推移を見守っている。
コーロンは「今年の経営計画を策定する際に、原油価格を中東産ドバイ原油ベースで約72ドルと予想していたが、すでに80ドルを超えている。原材料価格の依存度の高い製品の生産を減らす」と述べた。
東洋(トンヤン)製鉄化学は、「原油価格と為替相場に影響されやすいため、心理的な衝撃が大きい。それなりに備えてはきたが、対応の手法が制限されているので、今後ますます厳しくなるだろう」と吐息を漏らした。
●長期的に全産業にしわ寄せ
三星(サムスン)電子、LG電子、ハイニックス半導体などの電子業界は、石油製品を原材料として使わないため、今すぐの直接影響は受けないが、原油高が物流費用と材料費の跳ね返る可能性を念頭に原油価格の動向から目を離せずにいる。
自動車業界は原油高が消費者たちの購買マインドを冷却させ、車販売の低迷につながりかねないが、ロシア、ブラジル、中東などの産油国ではかえって消費が伸びるものと見込んでいる。
流通業界と生活用品生産メーカーは、原油価格の高止まりが続くと消費マインドが冷え込み、生活物価も吊り上げられる恐れがあると頭を悩ませている。
小麦粉、コマ油などを生産・販売するCJ第一(チェイル)製糖の関係者は、「長期的に製品運送費と原材料価格が原油高の影響を受けるに違いない。臨界点を超えれば、製品価格に上乗せすることも視野に入れている」と話した。
原油価格が値上がりすると短期的に精製マージンが大きくなり、収益があがる精油業界も、原油価格が引き続き高値で推移すると国内外の景気が減速し、ガソリンと軽油など石油製品の需要減になるものとみている。
精油業界は、新政権が進めるものとみられる油類税の引下げも注視している。ある製油会社の関係者は、「原油価格が跳ね上がると税金を一部引き下げても原油価格の上昇分がこれを相殺してしまい、税金の引下げ効果が無意味なものになる。これによる厳しい矛先は精油業界に向けられるだろう」と憂慮した。
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