全羅南道麗水(チョルラナムド・ヨス)は漁業、船舶業、流通業が発達していて資産家が多いことで有名な町だった。「麗水に行ってお金の自慢はするな」という言葉も、そこから生まれた。本来は小さな漁村だったが朝鮮成宗(ソンジョン)在位中の1479年に全羅左水営が設置されてから朝鮮水軍の本拠地として生まれ変わった。村の所々に全羅左水師だった忠武公・李舜臣(イ・スンシン)将軍の足跡が残っている。麗水国家産業団地が建設されてから、今は港町であると同時に工業都市に変貌した。2012年の世界エキスポ誘致に死活をかけている。
◆麗水市が、同じ光陽湾圏に属する順天(スンチョン)市、光陽(クァンヤン)市と2010年をメドに統合を進めることで5日合意した。市民たちも60%以上が賛成しており、異変がない限り統合は実現する見込みだ。そうなれば、人口70万人あまりに面積は釜山(プサン)と蔚山(ウルサン)を合わせたものよりも大きいもう一つの大都市が誕生することになる。その後は、周辺の慶尚南道(キョンサンナムド)の河東(ハドン)と南海(ナムヘ)郡との統合も推進する計画だという。慶尚道と全羅道の境界線を取り崩そうとする野心的な構想である。
◆麗水−順天−光陽統合の当面の目標は、麗水の世界エキスポ誘致だ。外国の競合都市に比べて麗水市だけでは人口面で大きく劣っているからだ。開催地決定日(今年11月27日)までに統合の了解覚書を交わそうとしている所以でもある。世界エキスポは、生産誘発効果が10兆ウォンで雇用誘発効果も8万人余りだというから逃すわけにはいかない。光陽には世界最大規模のポスコ光陽製鉄所があるし、順天は昔から有名な教育都市なのだから2都市が統合すればどこにも負けないだろう。
◆地方の行政単位の統合は、これまで全国で40件があった。今の麗水も1998年に麗水市と麗川市、麗川郡が一緒になったもので、順天は1995年に順天市とスンジュ郡が、光陽市は1995年に東光陽市と光陽郡が統合したものだ。住民の情緒的な抵抗感や、職を失うことになる公務員たちのために統合は容易なことではないが、成功さえすれば予算の効率的な執行などで発展可能性はそれだけ高くなる。政府が推進中の地域均衡発展策も良いが、本当に地方の競争力を強化するためには何をどうするべきか、麗水−順天−光陽の統合決定が反面教師になるはずだ。
李進寧(イ・ジンニョン)論説委員 jinnyong@donga.cm






