大統領府が野党ハンナラ党の李明博(イ・ミョンバク)大統領選挙候補と主要党幹部に対して、虚偽の流布による名誉毀損の疑いで告訴する方針を決めたことを受けて、ハンナラ党は6日、「『野党候補に対する裏調査』の疑惑に対する国政調査を推進する」とし、厳しく対応した。ハンナラ党はまた、鄭允在(チョン・ユンジェ)元大統領府儀典秘書官の「税務調査夢魔のための請託」に巻き込まれているという疑惑と、「シン・ジョンア元東国(トングク)大学教授の学位でっち上げ事件」に対しても特別検事制の導入を積極的に検討することにした。
▲ハンナラ党、「政権による裏調査、国政監査する」〓ハンナラ党の姜在渉(カン・ジェソプ)代表は最高委員会で「(大統領府が)憲法裁判所、メディア、力のない国民を問わずに提訴した上、もう中立を守るべき大統領が野党の大統領選挙候補を告訴するコメディのような出来事が起きた」と批判した。
姜代表は、「ある者は『劣等生が関心を引くためにトラベルを起こすものだ』『ハリウッド・アクションだ』と言っているが、とんでもない政権だ」と非難した。
同党の朴亨逷(パク・ヒョンジュン)スポークスマンは最高委員会のブリーフィングで、「大統領府が史上類を見ない、大統領選挙を100日後に控えて、支持率1位の候補を告訴したのは、無能政権を延長するため、手段と方法を問わないという考えだ」と指摘した。
朴スポークスマンは、「これは大統領の最側近が関わっている『鄭允在ゲート』など、権力型汚職事件が随所で起きていることを受け、野党の候補にわざと傷を付けようとする卑劣な行為で、この問題に対して国会と党のレベルで取り組んでいく」と述べた。
同氏は、「国税庁や国家情報院など権力機関が動員されて、李候補に対する裏調査を行ったのは、国政調査を通じて、徹底的に調査する」と強調した。さらに朴スポークスマンは通話で、「安商守(アン・サンス)院内代表が中心になって近いうちに国政調査を発議する計画だ」と付け加えた。
安院内代表は最高委員会議で、「告訴をするなら、盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領の名義でしなければならない。そうしてこそ、退任した後でも罪にもならないことに対して告訴した大統領に対して責任を負ってもらうことができる」と強調した。同氏はまた、「大規模の場外集会、市・道党別の糾弾集会を開いて、不当な大統領選挙への介入に対する抵抗運動を展開しなければならない」と主張した。李康斗(イ・ガンドゥ)中央委議長も、「民主政治に対する宣戦布告だ」と厳しく批判した。
▲「大統領府が李明博候補を当選させようと…」〓李候補は同日、ソウル芳荑洞(パンイドン)のオリンピック公園・重量挙げ競技場で行われた中央委芸術特別委員会の全国大会に参加した場で、「大統領府の告訴方針についてどう思っているのか」という記者団の質問に対して、「まだ告発していないというから待ってみよう。まさか…。私は対応しない」と述べた。党内では、「大統領府が大統領選挙期間中を通して李候補に対する『合法的なネガティブ』をするため、告訴する」という分析も出ている。
大統合民主新党の予備大統領候補の一人の孫鶴圭(ソン・ハッキュ)前京畿(キョンギ)知事は、同日、連合ニュースとのインタビューで、大統領府の李候補に対する告訴方針について、「笑わせる政治だ。大統領府がやることがそんなにないのか。(盧大統領が)李明博を当選させようと躍起になっているのでは」と批判した。
▲防御措置?大統領選挙への介入?〓大統領府は6日、大統領選挙への介入、政局転換用というハンナラ党の主張を一蹴し、李候補に対する告訴の方針を改めて確認した。大統領府広報首席室は同日、大統領府のブリーフィングを通じて、「大統領府は今政治的にハンナラ党や李候補を攻撃しているわけではない。大統領府は攻撃を受けて被害者として、一次的にその不当な被害を回復しようということだ」として、ハンナラ党の主張に反論した。
しかし、政界では今回の告訴に盧大統領の積極的な大統領選挙への介入意思が込められていると解されている。李候補が大統領府の政治工作説を取り上げたのは数ヵ月前のことなのに、大統領府が大統領選挙において重要な時点を選択して告訴の方針を発表して、告訴状を提出するというのもこのような観測に説得力を増している。
大統領府の関係者は同日、「これは最小限の防御措置で、告訴をするという方針に変わりはない」とし、「ただし、告訴状の作成など実務的な問題のため、告訴状の提出は7日ごろになるようだ」と述べた。
前日、文在寅(ムン・ジェイン)大統領秘書室長が6日告訴状を提出すると予告会見までしておきながら、告訴状の提出を見送ったことについて、政界では局面転換用であることが明るみになったと言っている。大統領府が李候補に対する告訴の方針を発表した5日は、大統合民主新党の予備選挙の結果発表が行われた日だった。また、大統領府が告訴状を提出すると言っている7日は、ハンナラ党の李明博大統領候補と朴槿恵(パク・クンヘ)前代表が予備選挙以後初めて会って、協力策などを話し合う日である。






