島を除いて、全国230の基礎地方自治体のうち最も人口の少ない慶尚北道英陽郡(キョンサンブクド・ヨンヤングン)。昨年の住民は1万9697人だった。1974年ごろまでは住民が7万人弱だったが、みんな生活のきつい農村から離れ、32年の間に住民が3分の1にも満たない水準にまで減った。
しかし、1970年代300人余りだった英陽郡の公務員は、毎年徐々に増え、昨年末には488人に増えた。2003年以来3年間でなんと77人も増えたわけだ。
人口は減って公務員ばかり増え、英陽郡では今月から「3・1運動」という名で、全ての公務員が1人当たり1年間1世帯を郡に転入させ、人口を増やす政策に乗り出した。実績の優秀な公務員に対しては、年末に人事上の優遇措置などのインセンティブを与えることにした。
英陽郡でトウモロコシを栽培しているチョン某(64)氏は、「人口は減りつつあるのに、公務員は日増しに増えている、その理由が全くわからない」と首をかしげた。
慶尚南道(キョンサンナムド)で人口の最も少ない宜寧郡(ウィリョングン)も、同じく1968年、10万649人の住民に対して公務員が297人だったが、現在は人口3万988人に、公務員は565人と増えた。
釜山(プサン)の場合も、01年から昨年までに毎年2万2000〜3万8000人の住民が減ったが、16の区郡を含めた釜山市全体の公務員定員は毎年増加し、昨年までの5年間だけでも1932人が増えた。
01年以後、毎年住民が減っている江原道(カンウォンド)と全羅南道(チョルラナムド)自治体所属の公務員も、01年以後5年間、それぞれ1915人と1465人が増えた。
▲人口増加率の5倍を上回る公務員の増加率〓全国自治体所属の地方公務員の定員は通貨危機のとき、大幅に削減された。98年、リストラで全体定員の20%近い3万5100人を削減したのを皮切りに、金大中(キム・デジュン)政権末期の01年まで、引き続き削減された。
しかし、02年を基点に、地方自治体公務員の定員は再び増加に転じ、01年、23万2797人だった定員が、06年には27万9826人と、全国的に3万7029人が増えた。
同期間、全国の人口は2.8%増加したものの、地方自治体の公務員の定員は5倍以上の15.3%が増えたわけだ。
また、毎年平均7400人余りが増えており、このような傾向が続けば、2年後には通貨危機前の97年の定員29万1673人を上回ることになる。
実際、慶尚南道宜寧郡の場合は、2000年に公務員が470人にまで減ったが、それから6年間で再び95人が増え、すでに通貨危機以前の水準にまで回復した。
自治体所属の公務員のこのような増加は今後もつづく見通しだ。
昨年までは公務員の定員を増やすためには行政自治部(行自部)の承認を得なければならなかったが、今年からは行自部が自治体ごとに示した賃金総額の限度内で、自治体が自由に定員を調整できるからだ。
これについて釜山市のチョン・スヒョン組織管理係長は、「青年失業解消や雇用創出の面では、公務員を増やすのが妥当だが、人口減少による行政需要の側面からは公務員を減らすのが妥当だ」と述べた。
▲住民が感じる行政サービス水準は相変わらず〓自治体公務員の増加について、行自部と各自治体では、住民への行政サービスの強化のために、福祉公務員と消防公務員などを増やしたためだと口をそろえている。
蔚山市(ウルサンシ)の関係者は、「(97年に比べて公務員が576人が増えたのは)97年、広域市格上げの時、慶尚南道から消防公務員の割り当てが少なかったので、消防員を増やしたためだ」としながら、「増員された公務員のうち70%は消防公務員だ」と語った。
しかし、行自部によると、02年以降、06年まで自治区を含めて増えた蔚山市公務員の定員661人のうち、消防職公務員は141人で、わずか21.3%だった。
全国的に社会福祉職公務員の定員は02年から06年までの4年間、1259人が増えた。同期間、消防職公務員の定員は4902人が増加した。
2つの職種の公務員の定員の増加を合わせても、同期間に増えた自治体全体の公務員定員3万1685人の19.4%にとどまった。
このような中で、政府や自治体の主張にもかかわらず、住民たちが感じる行政サービスは全く改善されていないという不満が出ている。
仁川(インチョン)経済正義実践市民連合の金ソンウォン事務処長は、「仁川市公務員は4年間で1000人近く増えたが、行政サービスは全く改善されていない」としながら、「多くの自治体が行政需要に対する綿密な判断なしに、公務員を増やすことばかりに気をとられていたためだ」と指摘した。
高麗(コリョ)大学の金テイル(行政学)教授も26日、ソウル大学行政大学院で開かれた「政策&知識」フォーラムで、「金大中政府末期に比べて公務員数が増えたが、不要不急の増員も一緒に行われた」と指摘した。
行自部のある幹部職員は、「自治体のトップたちが心から自治体の競争力強化を願うならば、最近、広まっている無能公務員のリストラに先立って、不要な業務や人材への見直しから手をつけるべきだ」と指摘した。





