ソウル大学の金基奭(キム・ギソク、教育学)教授は昨日、「韓国大学の未来と教育のガバナンス」に関する討論会で、「盛りが過ぎた運動圏出身の教授が大学の財団理事長や監査、総長となる「退職左派教授の全盛時代になった」と皮肉った。与党寄りの人物たちが紛糾の私学で総長や理事長、臨時理事の座に座り、収益事業体まで手をつけ、大学を牛耳る事例については、この社説(2月16日付)でも指摘したことがある。
一部の大学では教職員が設立者を告発し、これについて司法当局が無実、または無罪との判断を下したにもかかわらず、臨時理事の体制が続いている。これは、学校法人や設立者の財産を奪い、左派運動圏の教授たちの雇用の場を提供しているのにほかならない。政権内外での左派勢力の共生関係のモデルだ。与党は臨時理事体制だけでは満足できなかったのか、紛糾のない私学にまで開放型理事を置くように私立学校法の改正を強行した。わずか一握りの私学の不祥事にかこつけて、多数の私学を政権コードの私物のように掌握し、退職した左派の働き口まで設けようとする思惑ではないだろうか。
大統領府が直接、大学入試の選考などについて細かく口出しをし、教育部が統制実務の悪役を買って出たのも、左派的ミスだと金教授は非難した。実際、大統領がソウル大学の統合型論述試験を非難し、教育部が論述問題の出題の具体的な指針まで作って大学に送っているありさまだ。入試をはじめとした大学政策は、金教授の指摘通り、「生涯、講壇に立った教授の経験や知恵」に任せるのが正解だ。
教育部の官僚たちは、大統領府の386世代(若手)や全国教職員労働組合出身の秘書官たちが主張する左派の教育理念をふるいにかけるどころか、大学を圧迫するのに必死だ。中央の行政省庁の組織編制や人材構成を見ても、複雑な大学業務を担当するレベルに達していないというのが金教授の判断だ。
この政府は標準化政策には教条的にこだわりながら、実際、国の未来のための秀越性教育や教育課程の改編には、意思も力量もなさそうだ。「未熟な人物たちがのさばったあげく、改革対象すらまともに選べないケースも多い」という金教授の苦言は教育のコンテンツにも当てはまることばだ。
競争を罪悪と見なす左派イデオロギーが教育現場を押さえつけている。なのに、政権内外の左派の人物たちは自分の子供たちも下方平鈍化の中に放置しているか、はなはだ疑問である。






