浦項(ポハン)スチロースが移籍料を諦めることを条件に英国のミドルスブラFCと23日合意したことで、李東国(イ・ドングク、28)選手のイングランド・プレミアリーグ進出が確定した。
01年、ドイツ・ブンデスリーガーのヴェルダー・ブレーメンに6ヵ月間賃貸で行っていた時適応に失敗した後、6年ぶりの海外進出となる。朴智星(パク・ジソン、マンチェスター・ユナイテッド)選手、李栄杓(イ・ヨンピョ、トテナム・ホットスパー)選手、薛鐗鉉(ソル・ギヒョン、レディングFC)選手に続いて、4番目の韓国人プレミアリーガーになった李東国だが、この移籍をめぐって気になることを押えておく。
移籍料はない。浦項は150万ユーロ(約18億ウォン)を要求したが、ミドルスブラは李東国と浦項の契約期間が2ヵ月しか残っていないという理由で難色を示した。浦項は、「必ず行きたい」という李東国の意思を尊重して移籍料を放棄した。その代わりに、国内に復帰する時は浦項に戻るという条件をつけた。李東国が現地で他の球団へ移籍する時は、浦項とミドルスブラが移籍料を5対5で分け持つ。李東国の年俸は知られていない。
プレミアリーグは世界4大リーグの中でも最もスピードが速くて、選手間のもみ合いも激しい。しかし、李東国はゴール決定力には長けているが、スピードに難があり、もみ合いを好まないと言われてきた。このため、一部では「李東国が過去のように、守備に加担しないなど懸命にプレーしなければ、ベンチを守ってばかりでKリーグに復帰することになるだろう」と心配する声もある。
しかし、専門家たちは、李東国がスペイン・レアル・マドリードのルート・ファン・ニステルローイ選手のように、スピードが遅い短所を確実なゴール決定力でカバーすればよいと見ている。国内とは違って、MFと左右のウィングがしっかりしているプレミアリーグ選手たちを活用するプレーをすれば、かえってよいプレーができる可能性があるということだ。
辛文善(シン・ムンソン)韓国サッカー研究所先任研究員は、「欧州選手に全然遅れをとらない体格(185センチ、80キロ)に特有のゴール感覚を生かせば、十分成功できる」と展望した。
ミドルスブラには5人の攻撃手がいる。ナイジェリア出身のアイェベニ・ヤクブ選手は揺るぎないフルタイムの主力だ。豪州出身のマーク・ビドゥカ選手がツートップの残りの座を占めている中、ジェイソン・ユーエル選手が後ろを支えている。従って、李東国はヤクブよりはビドゥカと競争する見通し。ビドゥカはもみ合いとシューティング力は良いが、32歳のベテランで体力が落ちる。
李東国としては昨年4月、膝を痛めて7ヵ月間手術とリハビリをした後なので、どれほど早く試合に対する感覚を回復するかがカギを握っている。
李容秀(イ・ヨンス)KBS解説委員は、「李東国がブンデスリーガーでの失敗や負傷による、06ドイツW杯への不参加などで多くのことを感じていたはずだ。試練が大きかっただけに、精神的な準備は徹底しているだろう」と述べた。
ミドルスブラFCは、英国クリーブランド州の鉄鋼都市であるミドルスブラをフランチャイズとしてプレミアリーグチームだ。李東国が活躍した浦項とも似ている。1876年、ミドルスブラのクリケット選手たちがサッカーチームを作ったのが由来だ。1892年からイングランドサッカー協会(FA)が主管するリーグに加入した。長い歴史に比べて、成績はあまり良くなく、1部リーグと2部リーグを行き来しているが、強いチームに強く、弱いチームに弱いため「お化けのチーム」と呼ばれる。今季まで23年間、プレミアリーグに属しているが、03〜04年のシーズンカーリングカップで優勝したのが最高の成績だ。
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