●携帯電話、テレビ、エアコン、冷蔵庫など販売
ユ・ジョングン(39)三星(サムスン)電子ナイジェリア支店長(課長級)が昨年4月、ナイジェリアの土を初めて踏んだ時、彼の目の前に広がっている「黒い大陸」は暗澹たるものだった。
堅い表情の治安警察が立ち並んでいた空港の扉を出るや否や、乞食たちがどっと押し寄せては、金をせびった。
「果たしてここが、自分が求めていた機会の土地なのだろうか」
現代(ヒョンデ)重工業で掘削機の海外営業を担当したが、01年三星電子に入社したユ氏は、ナイジェリア勤務を志願した。三星電子がアフリカ大陸では6番目で、昨年設立したナイジェリア支店の「第1号駐在員」になったわけだ。
昨年、5500万ドルの売上を記録したユ課長を、国際電話でインタビューした。同支店の今年の売上は1億ドルと予想される。
携帯電話、テレビ、エアコン、冷蔵庫などを販売するユ氏に、アフリカ市場開拓のノウハウを聞いてみると、「アフリカ人は韓国人のように情が濃くて、スキンシップを持とうと努力する」と語った。
●携帯電話の加入者は1300万人…「ブッシュマン」は忘れてください
ナイジェリアの商業都市「ラゴス」には、「コンピュータ・ビレッジ」という情報技術(IT)製品の専門商店街がある。1000店あまりの小規模商店が立ち並んでいる姿が、韓国の龍山(ヨンサン)電子商店街と似ている。
ユ課長はここで、「ミスター・ユ」と呼ばれる。いいディーラーを確保するために、暇さえあれば出入りしたおかげで、黒人の商人たちが、今では彼に先に挨拶をするようになったという。
電子メールで受け取ったユ氏の顔写真は相当黒っぽい。生まれつきか、それとも、アフリカに渡った後、黒くなったのかを聞いてみたら、「もともとは(顔が)ここまで黒くはなかった」と笑い声で答えた。
2000年、50万人に過ぎなかったナイジェリアの携帯電話加入者は、昨年、1300万人に急増した。全体人口1億3000万人の10%までに増えたのだ。
貧富の差が激しく、50ドル未満のリサイクル組み立ての携帯電話と、「オイル・マネー」で一儲けした富裕層を対象にした400ドル以上の携帯電話が同時に売れている。
ユ課長は、「空から落ちてきたコカコーラに驚いて右往左往した映画のなかの『ブッシュマン』は忘れてほしい」とし、「6カ月に1回ずつ、携帯電話を買い換える人たちも相当多い」と話した。
●「すべての家庭に『韓国製』を入れます」
ユ課長はアフリカの有名人物や富裕層など、「潜在的な顧客」のお祝いごとには欠かさず出席して、カラー・テレビをプレゼントする。ホテルで開かれる彼らの子供の誕生日パーティーにも行って、一緒に祝ったりする。
ハイエルなど、価格競争力で押し付ける中国の会社に立ち向かうため、宝くじなど、様々なイベントも企画した。ユ課長を補佐する5人の現地人の給料を一般職場の2倍の水準に引き上げ、採用広告を出したところ、5000人も応募してきた。
ユ課長は、「アフリカの人々は度を越すほど肯定的でのろいが、年長者に尊敬の意を表す礼儀正しさと暖かい心をもっていて、感性的な韓国式のマーケティングがむいている」と話す。
電力供給が途絶え、携帯電話のフラッシュをともして働いたり、道端で「どうして自分の魂を撮るのか」と抗議する黒人女性にカメラを奪われるなどのつらいことも多々あるという。
しかし、金束を持って、電子製品を買いにくる幸せな顔を見れば、やりがいを感じるという。ナイジェリアではクレジット・カードはまだ一部のホテルでしか使えない。
「今、アフリカ市場は供給が需要を創出しています。挑戦すればかないます。各家庭に『韓国製』が入るように頑張ります」
kimsunmi@donga.com






