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(10)[社説]大韓民国は非常事態だ

Posted October. 10, 2006 06:46,   

北朝鮮の昨日の核実験の強行は、韓半島に超大型「核台風」をもたらした。民族の運命は気にもしない金正日(キム・ジョンイル)集団の無謀な火遊びが、韓国を韓国戦争後の最大の非常事態に追い込んだ。韓半島の危機はどこに進むのか、一寸先も見えない厳しい状況だ。

もはや韓半島非核化が無力化し、韓半島が事実上「核地帯化」になってしまった。北朝鮮はこれまで、高爆実験、ミサイル発射実験を行ない、今回の核実験で核武装段階に突入した。これまで抽出した20〜50キロの兵器級プルトニウムで、すでに5〜10個の核兵器を製造・保有しているとされる。今やこれを小型化し、ミサイルに装着することだけが残った。北朝鮮は、世界を相手にこれを脅威の手段に使う可能性が高い。

北朝鮮の核実験は、これまで北朝鮮をかばうことに汲々としてきた韓国政府の親北朝鮮、自主、太陽・包容政策が全面的に失敗したことを立証する。北朝鮮の実体と属性を十分に把握しないまま、「同じ民族」に陶酔し、選択してきたそのような政策の虚構性が満天下にあらわになった。

また、南北平和共存を約束した2000年の「6・15宣言」や、北朝鮮の核放棄を引き出すための6者協議も無意味になった。政府は今年2月、安保政策目標を「韓半島平和体制の制度化」と定めたが、これもごみ箱に捨てざるをえなくなった。韓国は、北朝鮮にだまされ続け、結局「核の人質」の境遇になった。

政府は昨日、盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領を中心に国家安全保障会議を開き、7項目の対策を出したが、事態の深刻性に照らして不十分だ。「北朝鮮の核保有不容認」、「国際社会との緊密な協議」などの原論的内容を含んでいるだけで、対北朝鮮政策の修正如何など、今後どのように対応するのか、断固たる意志と具体的なアクション・プランに欠けている。依然として北朝鮮の機嫌を伺っているのではないかという疑問を抱く。

「国連安全保障理事会でただちに論議することを支持する」という内容も、国連の決定事項を支持するということなのか、論議することを支持するということなのか、曖昧だ。また、北朝鮮核の平和的解決論議を念頭に置いたのか、制裁論議を念頭に置いたのかも曖昧だ。国連の制裁に積極的に参加するという力強い表現を明確に盛り込むべきだった。

国連安保理は、すでに議長声明を通じて明確にしたとおり、強力な対北朝鮮決議を採択するだろう。米国と日本も、北朝鮮に出入りする船舶の公海上の臨検およびだ捕、貿易制裁など、経済的・軍事的制裁を実行に移す態勢だ。日本は昨日、首相室に北朝鮮核対策室を設置し、稼動態勢に入った。

国際社会の北朝鮮制裁が本格化すれば、韓国も参加しなければならないのは当然だ。さもなければ、韓国も北朝鮮と同類と見なされ、孤立する恐れがある。米国の助けなしには北朝鮮の核の脅威に対抗して、自らを守る能力がない韓国としては、米国との緊密な協力と韓米同盟の強化を通じて、直面した危機を乗り越えることが必須だ。

政府は何よりも、国政の最優先順位を安保問題に置き、北朝鮮の核実験で招来した危機の実状を国民にしっかりと説明しなければならない。今回の事態が、南北関係と民族の将来はもとより、韓半島の力学関係に及ぼす影響を綿密に分析し、「実際の状況」による対策を国民が納得できるように明らかにしなければならない。

また、対話と交渉で北朝鮮の核およびミサイル開発問題を解決できると信じた安易な判断を猛反省し、北朝鮮政策を原点から抜本的に見直さなければならない。民族の将来に暗い核の雲の陰がたちこめたのには、金大中(キム・デジュン)、盧武鉉政府がこの8年7ヵ月間追求してきた北朝鮮に対する太陽政策に責任がある。一方的な援助で北朝鮮を変化させようとしたが、北朝鮮は動かず、国民の北朝鮮に対する警戒心と安保意識だけが不感症に陥った。

数十年間、国民の血税で構築した通常兵器の軍備が、北朝鮮の核保有で対北朝鮮抑止力を喪失しただけに、国民の生命と安全を守る強力な軍事的対策づくり何よりも急がれる。戦時作戦統制権の返還と韓米連合司令部の解体推進も、ただちに中止しなければならない。絶体絶命の国家危機の状況で、不器用な自主を繰り返すことはできない。

特に北朝鮮が、国際社会の北朝鮮制裁に対抗するために、韓国を人質にして大小の軍事的挑発を行う可能性に、徹底的に備えなければならない。北朝鮮は、韓国の対応を試すためにも、挑発を図る可能性がある。

開城(ケソン)工業団地、金剛山(クムガンサン)観光など、北朝鮮経済協力も中止が避けられない。盧武鉉政権は発足後、北朝鮮に3兆ウォン以上を支援したが、返ってきたのは北朝鮮の核とミサイルの脅威だけだ。政府は、対北朝鮮支援が、軍事的に転用された証拠がないと主張するが、誰が確証できるだろうか。

現在の難局を招いた外交安保チームに対する全面的な刷新も必要だ。国家情報院は昨日、北朝鮮の核実験の事実が伝えられる直前までも、国会で「核実験の兆しはない」と報告した。7月に北朝鮮がミサイルを発射した時は、「ミサイルなのか、人工衛星なのかわからない」と言ったのが現政府の外交安保チームだ。彼らに国家安保を任せては、国民は安心して眠ることはできない。

盧大統領から、自らの北朝鮮認識と発言に問題があったことを正直に認めなければならない。盧大統領は、「核とミサイルを外部の脅威から自分を守るための抑制手段だという北朝鮮の主張に一理ある」と北朝鮮をかばおうとまでした。核実験かどうかについては、「根拠もなく仮定で話すことは、多くの人々を不安にさせるだけでなく、南北関係にも有害となる憂慮がある」と述べた。

国民も、「民族自主」の虚構性と安保不感症から目覚め、我々が直面した厳酷な安保現実を直視しなければならない。親北朝鮮左派勢力の一部で主張するように、「統一すれば、北朝鮮の核も結局は我々のものになる」という荒唐無稽な幻想の論理は、徹底的に排撃しなければならない。北朝鮮核問題をめぐる韓国内の葛藤も警戒が必要だ。それこそ北朝鮮の思うつぼだからだ。

『ムクゲの花が咲きました』は、あくまでも仮想の小説にすぎず、韓半島の核武装化は、民族絶滅の危機を呼ぶ恐れがある「火遊び」だ。ややもすると、周辺列強の韓半島に対する干渉を本格的にもたらし、民族の自主的な進路さえも外勢に任せなければならない100年前の大韓帝国末期のような悪夢が再演される恐れも排除できない。

北朝鮮を変化させ、核武装を放棄させる道は、ただ政府と国民、大韓民国と国際社会が一丸となって、核武装が「判断ミス」であり、北朝鮮政権だけでなく韓民族全体に災いになるという事実をはっきりと認識させることだ。

そのためには、政府の全面的な北朝鮮政策の反省と修正に劣らず、国民も目覚めなければならない。韓民族の将来に責任を負うのは、有限な政権の役割である前に、国民全員の役割であり責務である。将来、子孫から「あの時あなたたちは、民族の災いを阻止するために何の努力をしたのか」という厳しい叱責にあうだめな先祖にならないためにもだ。