戦時作戦統制権の移譲問題に関するブッシュ米大統領の考えは、この1、2ヵ月間で変化した。ブッシュ大統領が首脳会談直後、記者たちに「盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領と意見が一致した。同問題は、政治的イシューになってはならない」と述べたことは、韓国で起こっている論議を静めるための布石とみられる。
▲初期にはラムズフェルド長官が主導〓ブッシュ大統領は、今年8月初めまで、戦時作戦権問題に関する報告を受けていなかった。ホワイトハウスの事情に詳しいある消息筋は最近、記者に、「ライス国務長官やハドレー・ホワイトハウス安保補佐官も、7月に入って、同事案の報告を受けた」と述べた。
韓米間の戦時作戦権交渉が、国防総省の主導下で進められたのは周知の事実。しかし米国防総省も、今年の6月に「韓国が要求するなら移譲する。その時期は2009年がいい」という方針を通告するまでは、「果たして戦時作戦権を移譲すれば、韓国が手におえるだろうか」という疑問を示していたという。ワシントンのある消息筋は、「米国はこの期間、じっくりと戦時作戦権移譲の損益を計算し、実施する価値があると決定した後に推進した」と伝えた。
米国防総省の決定には、ラムズフェルド長官の「政治的計算」も作用した。ラムズフェルド長官は、韓国内の地上軍を抜いて、兵力不足に苦しむイラクに配置しようと考えた。また、韓国に対する愛情が冷め、「同盟の義務感」に縛られなくなったということだ。
▲国防総省会議〓ブッシュ大統領の正式の裁可が出たのは今年8月15日に米国防総省で開かれた「全軍野戦指揮官会議(Tank Conference)」においてだった。
国防総省の事情に詳しいある消息筋によると、ブッシュ大統領はラムズフェルド長官に、「反米感情のためか」という質問を3度も繰り返した。ラムズフェルド長官はその度に、「違う」と答えた。ブッシュ大統領は最後に、「それでは、米国の国益のためか?」と問うと、ラムズフェルド長官は「そうだ」と答えたという。「よし、それでは実施せよ」というブッシュ大統領の指示は、このような過程を経て出たというのが消息筋の話だ。
▲論議を静めるため〓ブッシュ大統領が首脳会談で、「政治的イシューになってはならない」と強調したことは、多目的な布石と解釈される。純粋に軍事的レベルでの決定に過ぎず、米国が盧政権に対する「感情」のため、戦時作戦権を移譲するという誤解を受けたくないという考えが込められている。
韓国政府関係者は15日、「バーシュボウ駐韓米国大使の発言や、韓米間の調整を通じて、今回の首脳会談でこの程度の発言が出ることは予想していた」と述べた。
srkim@donga.com






