三星(サムスン)電子が世界で初めて、40nm(ナノメートル・1nmは10億分の1m)32ギガビット(Gb)NAND型フラッシュメモリーの開発に成功した。
また、過去35年間、半導体業界で使われてきた米インテル社のNAND型フラッシュ技術に代替できる新概念の「チャージ・トラップ・フラッシュ(CTF=Charge Trap Flash)」技術を開発した。CTF技術は、今回のNAND型フラッシュメモリー技術の基盤となった。
黄昌圭(ファン・チャンギュ)三星電子半導体総括社長は11日、ソウル市中区奬忠洞(チュング・ジャンチュンドン)の新羅(シンラ)ホテルで記者会見を開き、「世界で初めて40nm工程を適用し、32GbNAND型フラッシュメモリーを開発した。08年から、量産を始める」と発表した。
また黄社長は、「昨年が、『フラッシュ・ラッシュ(Flash Rush)』の年だったと言えば、今年は新しいデジタル世界を切り開く『フラッシュトピア(Flashtopia)』への進入を準備する初年になるだろう」と述べた。
そして、黄社長は11日、40ナノ32ギガビット(Gb)NAND型フラッシュメモリー開発の意味を、「フラッシュメモリーで具現されるユートピア世界」、すなわち、フラッシュトピアだと要約した。
黄社長が昨年名づけた「フラッシュ・ラッシュ」は、すべての携帯向け保存装置がフラッシュメモリーで代替され、フラッシュメモリー市場が爆発的に成長するというものだ。「フラッシュトピア」は、フラッシュが単純な情報保存・携帯装置を超え、人間の全般的な暮らしの質を向上させるというより包括的な意味を持つ」と説明した。
三星電子側は、「創造的思考と家族との連帯を除いたすべてのものは、フラッシュメモリーに任せられる」と、フラッシュメモリーがわたしたちの生活全般に大きな影響を与えることになることを主張した。
●夢の「テラビット時代」
三星電子が世界初で40ナノ32GbNAND型フラッシュを発表したことから、「テラビット(Tb・1Tbは1Gbの1000倍)時代」が我々の目の前に近づいた。
文字と写真、音楽、動画像など我々の生活に必要なすべての情報をフラッシュメモリーに入れて保存しておき、後で自由に取り出して使用できる情報革命が実現されるというわけだ。
40ナノ32GbNAND型フラッシュメモリーは、328億個のメモリー基本素子が、親指の爪くらいの大きさに集積されている。
特に、08年にこのメモリーが量産されれば、64ギガバイト(GB)メモリーカードの製作が可能になり、1枚のメモリーカードに総合日刊紙400年分量を保存できるようになる。
黄社長は、「1年間、目の前で起きることを、小さな半導体チップ一つに保存できる時代が到来したのだ」と説明した。
フラッシュメモリーは、ハードディスクに比べはるかに軽く速度も速く消費電力も少ないため、保存容量の制約を受けないデジタル生活が可能となる。また、フラッシュメモリーの最大の障壁だった価格も大幅低くなっていて、実生活への適用の幅はより広くなる展望だ。
●成長と競争の半導体メモリー市場
三星電子は、40ナノ32GbNAND型フラッシュメモリー製品が本格的に量産される08年以後には、500億ドル(約47兆5000億ウォン)規模のNAND型フラッシュ市場が形成されるとみている。
三星電子は今年初めて、NAND型フラッシュメモリーをパソコンにまで適用し、ハードディスクのない「デジタル・パソコン」を販売開始したのに続き、今回発表した40ナノ32GbNAND型フラッシュは、すべてのデジタル製品に拡大適用するとの計画だ。
三星電子側は、「フラッシュメモリーの登場は、紙、火薬、羅針盤などに匹敵する人類の革命的発明品だ。メモリー市場はパソコン市場の限界を超え、いまや携帯電話など10億台以上のモバイルおよびデジタル消費者市場を対象にする」と説明した。
特に、マイクロソフトの新しいコンピューター運営体制である「ウィンドウビスタ」とソニーのゲーム機器「プレーステーション3」販売開始を今年末または来年初に控えた時点で、3次元立体映像を具現するDラム市場も大きく拡大する展望だ。
一方、米インテルとマイクロンが今年になって合弁会社をつくり、NAND型フラッシュ量産に入り、東芝などの日本の業者と台湾業者などが設備増設に乗り出すなど、半導体メモリー市場の競争は日増しに激しくなりつつある。






