無線周波数を利用した携帯インターネットのワイブロは、ユビキタス時代を切り開く第4世代の移動通信技術だ。三星(サムスン)電子のワイブロは、スプリント・ネクステル、インテル、モトローラと手を組み、米国の携帯インターネット市場入りに成功したことから、国際標準に向けた有利な地位を築いた。不景気にあえぎ、猛暑に苦しむ国民に一筋の希望の光となるような快挙に違いない。
米国は電話とインターネットを開発した通信の宗主国であり、世界一の通信市場だ。三星電子が独自の技術で開発した通信システムを米国が採用するのを皮切りに、ワイブロの標準を視野に入れる国が相次ぐものと見込まれる。ワイブロが商用化すれば、走行中の車や地下鉄の中でもインターネットが利用できる。オーダーメード型ビデオ、双方向ゲーム、ウェブ放送など、多様な付加サービスができる。ワイブロのシステムおよび端末市場は、装備・部品・コンテンツ分野の中小企業を含め、雇用誘発効果27万人、06〜12年生産誘発効果33兆8600億ウォンにのぼる。次世代にとって大きな金の木になる目玉産業が韓国経済に青信号をともすようになったのだ。
第4世代情報通信(IT)技術市場の先取りは「企業が国と国民の希望」であることを再確認させる大きな成果だ。経済を牽引する力は企業から出る。政治は4流、行政は3流という言葉をよく耳にするが、グローバルな一流企業があってこそこのような創造が可能だったわけだ。
国民経済を開拓する企業がなければ、「分配」の掛け声をいくらかけたところで、民生は改善されない。企業が気合を入れて投資し、創意的に新技術を開発し、思う存分世界市場に羽ばたかせるようにできるだけの支援を惜しまないことだ。
ところが政府はかえって規制で企業の足を引っ張っている。規制と反企業情緒をこのまま放置しておき、ワイブロのような新しい成長エンジンがどんどん生まれてくるのを期待するのは筋違いだ。八つ当たりといわんばかりに企業に非難の石を投げてばかりいれば、国内外の資本とその金の価値を育てる人材たちは韓国離れし、結局経済と民生は成り立たなくなるだろう。






