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DDA交渉中断、韓米FTAの追い風になるか

DDA交渉中断、韓米FTAの追い風になるか

Posted July. 26, 2006 03:01,   

世界貿易機関(WTO)が2001年から進められている多角的貿易体制であるドーハ開発アジェンダ(DDA)が、最大のピンチに瀕している。

パスカル・ラミWTO事務総長は23日と24日の両日(現地時間)、スイスのジュネーブで行われた米国、日本、豪州、インド、ブラジル、欧州連合(EU)の主要6カ国・地域(G6)の閣僚会談が物別れになった後、「新しい転機が訪れるまでDDA交渉を中断する」と宣言した。

今回のG6閣僚交渉は、最近ロシアで開かれたG8(先進7カ国+ロシア)サミットでDDA交渉を救うため「政治的な決断」が必要だというコンセンサスが形成されている中で開かれたものであり、DDA交渉を再生させる最後のチャンスとして受け止められてきた。貿易障壁を低くするためスタートしたDDAは、当初03年の妥結をメドに進められてきたが、メンバー国の間で農産物市場の開放幅や補助金などを巡って溝が埋まらず、ずっと引きずられてきた。

貿易の比重が高い韓国にとって、DDA交渉中断は当分の間、輸出市場の拡大が困難になることを意味する。このため、韓国政府は、韓米自由貿易協定(FTA)をはじめ、二国間FTA交渉に本腰を入れるものとみられる。

しかし、肝心の韓米FTA交渉に弾みがつく可能性は薄いという見方も少なくない。第一、FTAに反対してきた市民団体がDDA交渉中断を追い風に、市場開放反対の声を高めるのは必至だ。

ペ・チョンハ農林部国際農業局長は「DDA交渉中断が、韓米FTA交渉に直接しわ寄せすることはないが、農業部門では開放の枠とレベルがやや緩和される可能性はある」と分析した。DDAが妥結していたら、これをバネにFTA交渉が進められ、開放の枠がより拡大される可能性があったが、これからは振り出しに戻ってFTA交渉に当たることを余儀なくされるからだという。



smhong@donga.com